“思立”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おもいた63.6%
おもいたち18.2%
おぼした9.1%
おもひたち9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やや完全に演ぜんなぞと思立おもいたたば米や塩にまで重税を課して人民どもに塗炭とたんの苦しみをさせねばならぬような事が起るかも知れぬ。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
田舎の女をわたくしの境界に置きましたら、随分わたくしと同じ思立おもいたちをいたす女があろうかと存じます。これはただ思立つだけの事でございます。
田舎 (新字新仮名) / マルセル・プレヴォー(著)
されば仏菩薩は妖魔のたぐい、釈教は堕獄の業因ごういんと申したが、摩利信乃法師一人の誤りか。さもあらばあれ、まだこの上にもわが摩利の法門へ帰依しょうと思立おぼしたたれずば、元より僧俗の嫌いはない。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
愚なる私の心得違こころえちがひさへ無御座候ござなくさふらはば、始終しじゆう御側おんそばにも居り候事とて、さやうの思立おもひたち御座候節ござさふらふせつに、屹度きつと御諌おんいさめ申候事もかなひ候ものを、返らぬ愚痴ながら私の浅はかより、みづからの一生を誤り候のみか
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)