“激”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はげ50.0%
げき31.3%
たぎ7.3%
はげし6.0%
タギ2.7%
ひど1.3%
あせ0.7%
せわ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
風がはげしくなり、足下あしもとくもがむくむくとき立って、はるか下の方にかみなりの音までひびきました。王子はそっと下の方をのぞいてみました。
強い賢い王様の話 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
はしわたると、みずがさらさらといって、いわげきして、しろくだけていました。ところどころにある、つたうるしがになっていました。
空晴れて (新字新仮名) / 小川未明(著)
あらしを免れて港に入りし船のごとく、たぎつ早瀬の水が、わずかなる岩間のよどみに、余裕を示すがごとく、二人はここに一夕の余裕を得た。
春の潮 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
影が、結んだ玉ずさのようにも見えた。——夜叉ヶ池のお雪様は、はげしいなかにおゆかしい、野はその黒雲くろくも尾上おのえ瑠璃るり、皆、あの方のお計らい。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
夜は、もうけて居た。谷川のタギちの音が、段々高まつて来る。二上山の二つの峰の間から、流れくだる水なのだ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「然う言えば先方むこうじゃもうやっていやしないかな。昨日は禿頭病のひどいのが一人来ましたよ」
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
さあ、源はあせらずにおられません。こうなると気をいらってやたらに鞭を加えたくなる。馬は怒の為に狂うばかりになって、出足がかえって固くなりました。にわかに「樺、樺」と呼ぶ声が起る。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
コエル わしの身ぢかにおるのは誰か? わしの耳には、せわしい息づかいが聞える……人を追う者か……それとも、追われる者の息づかいのような。
ウスナの家 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)