“げき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
27.3%
23.8%
16.9%
外記10.5%
7.6%
3.5%
3.5%
2.9%
1.7%
0.6%
0.6%
𨵙0.6%
𨶑0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
〔譯〕民のに因つて以て之をげきし、民のよくに因つて以て之をはしらさば、則ち民其の生をわすれて其の死をいたさん。是れ以て一せんす可し。
つまり、げきだ。檄をうけた武士の内には、すぐ鎌倉へそれを逆報した者もあった。——すでに鎌倉でも予想されていたことである。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
典医てんいだけは奥へ出入りしていたし、城後の梅花は、日々ほころびそめて来るのに、その後、管楽かんがくの音は絶えて、春園もげきたり——であった。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
多湖たご外記げきは、亀井能登守の江戸家老だった。べっこうぶちの大眼鏡を額へ押し上げて、微笑の漂っている視線を、岡部辰馬のうえに据えた。
元禄十三年 (新字新仮名) / 林不忘(著)
おどろいたのはモンクスだった。敵の上半身をねらってただ一げきと思いきや、相手は寝てしまったんだ。拍子抜ひょうしぬけがして、ぼんやりしてしまった。
柔道と拳闘の転がり試合 (新字新仮名) / 富田常雄(著)
孫権は群臣と共に、階を隔てて傲然ごうぜんと待ちかまえる。千余人の武士は、階下から宮門にいたるまで、げきほこ、鎗、おのなどを晃々こうこうと連ねて並列していた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これには寄手の宋江軍もさんざんな目にあったのだが、そのうちに敵にはひとつの“げき”——つまり弱点——があることを知ったのが勝因だった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其後荊棘けいきよくの為めにこと/″\破壊はくわいせられ、躰をふべきものさらに無く、全身こぞりて覆盆ふくぼんの雨に暴露ばうろせらる、其状そのじやう誠にあはれむにへたり、衆相対してひらくもげきとしてこゑなく、あほぎて天の無情をたん
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
幕吏搜索さうさくして樓下に至る。南洲乃ちげきを觀るに託して、舟をりてげ去れり。此れ皆勇怯ゆうきよほろぼ勝負しようぶを忘るゝものなり。
げき至という重臣の斡旋で、巫臣はけいの大夫として晋に仕えることになった。
妖氛録 (新字新仮名) / 中島敦(著)
鳥と云う字がげきの字になった。その下に舌の字が付いた。そうして顔を上げた。云う。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
磨き出したような十日月が涓々けんけんと湖上に照り、風は蘆荻ろてきを吹いて長葉を揺らめかす。四辺𨵙げきとして、聞えるものはオールの音のみ。陶は艇首に坐り、首を垂れて一言も言わぬ。俺も言わぬ。
湖畔 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
廊下伝い、娘桜子の部屋の外へ来て見ると、内は𨶑げきとして、何んの変りもありません。