げき)” の例文
これ吾人が今日において不肖を顧みず、げきを抜き、隊を成し、区々の意見を陳述せんと欲するゆえんなり。かのブライト氏は曰く
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
孫権は群臣と共に、階を隔てて傲然ごうぜんと待ちかまえる。千余人の武士は、階下から宮門にいたるまで、げきほこ、鎗、おのなどを晃々こうこうと連ねて並列していた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
孫子そんしわかつて二たいし、わう寵姫ちようきにんもつ各〻おのおの隊長たいちやうし、みなげきたしむ。これれいしていはく、『なんぢなんぢ(三)むね(四)左右さいうとをるか』と。婦人ふじんいはく、『これる』と。
劉辟は、高覧と戦って、一げきのもとに斬り落され、趙雲は高覧へ飛びかかって、一突きに、高覧を刺し殺した。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかしその後は、刀、弓、げきほこなどを寨門さいもんに植え並べ、陸上の陣稽古げいこ、水上における舟いくさの教練など、いや朝夕の規律まで、前よりもはるかに厳しい。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
裏門へかかった鄂煥は、たちまち得意のげきを舞わして、一撃の下に彼の首を挙げてしまった。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
げき、剣、馬蹄から立つ土けむりの中に、戛々かつかつと火を発し、閃々せんせんとひらめき合う。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すでに禁苑きんえんの一かくとおぼしく、美々しい軍装の近衛このえ兵がげきを持って佇立ちょりつしていたが、林冲りんちゅうを見ると、おしのごとく黙礼した。禁軍師範の林冲も、まだかつて、こんなところまでは来たこともない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一に弓、二につよゆみ、三にやり、四に刀、五に剣、六に鍵矛かぎほこ、七にたて、八におの、九にまさかり、十にげき、十一に鉄鞭てつべん、十二に陣簡じんのたて、十三に棒、十四に分銅鎌ふんどうがま、十五に熊手くまで、十六に刺叉さすまた、十七に捕縄とりなわ、十八に白打くみうち
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
よほど一げきのもとに斬って捨てんかと思ったなれど、いやいや或いはこのかみのご本心は、曹操と和せず戦わず——不戦不和——といったような微妙な方針を抱いておられるのではないかとふと考えつき
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)