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ふりがな文庫
“
外記
(
げき
)” の例文
柴田
外記
(
げき
)
と古内志摩はまだみえないそうで、小関は世評どおり「安芸と甲斐が不和」であると信じたのだろう、べつの座敷へ案内した。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
多湖
(
たご
)
外記
(
げき
)
は、亀井能登守の江戸家老だった。べっこうぶちの大眼鏡を額へ押し上げて、微笑の漂っている視線を、岡部辰馬のうえに据えた。
元禄十三年
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
石母田
外記
(
げき
)
は、これで十分、自分の気持を説明したつもりらしいが、武蔵にとっては、少しも説明されたことにはならない。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
和流砲術の大家、井上
外記
(
げき
)
正継
(
まさつぐ
)
、稲富喜太夫
直賢
(
なおかた
)
、
田付
(
たつけ
)
四郎兵衛
景利
(
かげとし
)
の三人が
鼎
(
かなえ
)
のかたちになって
床几
(
しょうぎ
)
に掛け、右往左往する組下の働きぶりを監察していた。
ひどい煙
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
掛て引
据
(
すゑ
)
九郎兵衞夫婦村役人周藏喜平次木祖兵衞三五郎下伊呂村名主藤兵衞組頭
惣體
(
そうたい
)
引合人殘らず罷り出村役人より
去
(
さんぬ
)
る廿四日
節儀
(
せつぎ
)
逐電
(
ちくてん
)
いたせし旨屆け出一同
外記
(
げき
)
が出席を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
其時将軍の
扈従
(
こじゅう
)
の臣の内藤
外記
(
げき
)
が支え立てして、
御主人
(
おんあるじ
)
役に一応御試み候え、と云った。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
その上禁制の
切支丹
(
きりしたん
)
の伝書や、異国交易の文書があったので、領地を召上げ、財貨を官没し、長男藤十郎以下、
外記
(
げき
)
、
権之助
(
ごんのすけ
)
、
雲十郎
(
うんじゅうろう
)
等七人の子女は、一人残らず斬られたり流されたり
大江戸黄金狂
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
小河
縫殿助
(
ぬひのすけ
)
、小河織部、久野四兵衞、小河專太夫、畝町には井上
監物
(
けんもつ
)
、吉田
壹岐
(
いき
)
、伊丹
藏人
(
くらんど
)
、高橋忠左衞門、小河長五郎、金出口には野村右京、加藤
圖書
(
づしよ
)
、村田出羽、毛利又右衞門、久野
外記
(
げき
)
栗山大膳
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「手長
外記
(
げき
)
、益送(役送に同じ)
史
(
ふひと
)
。」など見え、大諸礼には
手長と足長:土蜘蛛研究
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
名は用九、字は士乾、通称を
外記
(
げき
)
という。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
故新左衛門の養
嗣子
(
しし
)
采女
(
うねめ
)
は、まだ柴田
外記
(
げき
)
に預けられて
登米
(
とめ
)
郡にいた。そして明くる年の七月に、そこで病死したのだ、と甲斐は思った。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
等々の
殿上
(
てんじょう
)
から、
外記
(
げき
)
、史官、医家、僧門、諸大夫の女房らにいたるまでの総移動も同時となったものだった。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
不埓
(
ふらち
)
の
筋
(
すぢ
)
も之なきにより
構
(
かま
)
ひなしと申渡せば
皆々
(
みな/\
)
ハツと平伏なし一
件
(
けん
)
引合
(
ひきあひ
)
の者共は退きけり此時家老
外記
(
げき
)
は
不審
(
ふしん
)
少
(
すく
)
なからず思へども證據も之なき事故
強
(
しひ
)
ても
論
(
ろん
)
じ
難
(
がた
)
く其
席
(
せき
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
曰
安西了益
(
あんざいれうえき
)
。父を
外記
(
げき
)
と云ふ。豊前の人である。曰中野
貞純
(
ていじゆん
)
。父養庵は井上筑後守
正滝
(
まさたき
)
の医官である。井上は下総国高岡の城主である。門人録に純を「順」に作つてあるが、蘭軒は純と書してゐる。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
……やがて書き終った手紙をくるくると巻いて封をし、こちらへ向き直った惣兵衛は、「花蔵院の
外記
(
げき
)
殿の屋敷を知っているか」と
訊
(
たず
)
ねた。
晩秋
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
むむ、雑訴決断所なら
郁芳門
(
いくほうもん
)
のそばではないか。あそこへ行ってみよう。あそこの
外記
(
げき
)
か
蔵人
(
くろうど
)
でもつかまえて、論功ノ
表
(
ひょう
)
を
内見
(
ないけん
)
させろといったら、見せぬとも
拒
(
こば
)
めまい。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
遂られよと申送りしかば
松本
(
まつもと
)
理左衞門も
餘儀
(
よぎ
)
なく
畏
(
かしこ
)
まる
趣
(
おもむ
)
ぎ
返答
(
へんたふ
)
に及び
置
(
おき
)
夫より三五郎を呼出し汝
支配
(
しはい
)
の奉行を
差越
(
さしこし
)
御家老
外記
(
げき
)
殿へ
直訴
(
ぢきそ
)
に及び候段
不屆至極
(
ふとゞきしごく
)
の奴なりと
眼玉
(
めだま
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「なにこのたびのお役目は
外記
(
げき
)
が申し上げて仰せつけられたのか」
阿部一族
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
その件について老中への
執成
(
とりな
)
しを願い出ましたところ、幕府から内命があって、事情を聞くために柴田
外記
(
げき
)
が召されました。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
正成の諫奏は、内容が内容だけに、そのおりの
侍座
(
じざ
)
以外には、かたく口を封じられたが、それですらもうこのていどには六位ノ
蔵人
(
くろうど
)
、
外記
(
げき
)
、
内記
(
ないき
)
あたりの者にはささやかれていた。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
柴田
外記
(
げき
)
が上府したので、彼の江戸番の任期はすでに終り、
定日出仕
(
じょうびしゅっし
)
の勤めも解かれたのである。
樅ノ木は残った:01 第一部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
午
(
ひる
)
近くなると、伝馬役所の空気は、何となく、騒がしく感じられた。吟味与力の高梨小藤次は、同じ役所に、同心見習をしている子息の
外記
(
げき
)
だの、役所外の目明しや役人を四、五人ほど連れて
雲霧閻魔帳
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
国もとから出府して来た、柴田
外記
(
げき
)
と古内志摩(
義如
(
よしゆき
)
)、そして片倉小十郎である。
樅ノ木は残った:01 第一部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
大内裏造営の事業などは、
外記
(
げき
)
ノ庁内に役署がおかれて
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
良源院へ着くと、玄関で柴田
外記
(
げき
)
と出あった。伊達式部(
宗倫
(
むねとも
)
)といっしょで、二人とも麻上下だった。いま帰るところらしく、住職や僧たちが出ていたし、従者たちが式台の下に控えていた。
樅ノ木は残った:01 第一部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「おいっ、
外記
(
げき
)
、もいちど馬を曳いて来い」
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、
外記
(
げき
)
は膝を叩いて
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“外記”の解説
外記(げき)は、律令制において朝廷組織の最高機関・太政官に属した職の一つである。四等官の中の主典(さかん)に相当する。
唐名は外史・門下起居郎・門下令史。
和訓は「とのおおいしるすつかさ」。
(出典:Wikipedia)
外
常用漢字
小2
部首:⼣
5画
記
常用漢字
小2
部首:⾔
10画
“外記”で始まる語句
外記座
外記猿
外記朝意
外記正継