“趨”のいろいろな読み方と例文

読み方	割合
はし	59.6%
おもむ	32.7%
ゆ	3.8%
お	1.9%
ハシ	1.9%

はし

今のやうに作家が社会的な低い標準に向つて趨（はし）つてゐる時代には、とても優れた作を期待することは不可能である。何うも為方がない。

野の花を (新字旧仮名) ／ 田山花袋、田山録弥(著)

おもむ

... 有志の士は悉（ことごと）く弊藩まで駈付け申すべく候」と説き、また「徳川既に衰運に趨（おもむ）き候折柄の義に候えば、大坂陣と同日の論には御座無く候」

吉田松陰 (新字新仮名) ／ 徳富蘇峰(著)

ゆ

飽くまで徳川家中心で、ふたたび庶民の幸福も皇室も犠牲にして、幕府ばかり肥（こ）え太ってゆく専横時代がやって来るのではなかろうかと、世の趨（ゆ）く先が案じられる——。

宮本武蔵：06 空の巻 (新字新仮名) ／ 吉川英治(著)

お

当時近代音楽の勃興（ぼっこう）時代で、真物（ほんもの）も偽物（にせもの）も、ひたむきに新奇を趨（お）うてやまなかった時、ブラームスは雄大、厳重、素朴、敬虔（けいけん）な古典精神に還（かえ）り

楽聖物語 (新字新仮名) ／ 野村胡堂、野村あらえびす(著)

ハシ

三千ノ剣佩（ケンパイ）黄道（コウドウ）ヲ趨（ハシ）リ

三国志：08 望蜀の巻 (新字新仮名) ／ 吉川英治(著)

趨	漢検準1級 部首:⾛ 17画