“隙”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すき56.8%
ひま33.0%
す6.5%
すか1.4%
げき0.7%
いとま0.3%
すきま0.3%
あ0.1%
あいだ0.1%
あひ0.1%
すけき0.1%
すさ0.1%
ま0.1%
シマ0.1%
スキ0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
隙(すき)の見える性質ではないかと私は心配しているのだから、侍女どもが勝手なことを宮に押しつけるようなことをさせてはならないよ。
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)
したがって生計上に困ることは自然の理で、ようやくその日を糊(のり)する位のもので、さらに他を顧みる隙(ひま)もなかったことでありました。
またも雲の御幕で折角の展望もめちぁめちぁ、ただ僅かの幕の隙(す)き間(ま)を歩いた模様で、概略の山勢を察し得られたのは、不幸中の幸。
穂高岳槍ヶ岳縦走記 (新字新仮名) / 鵜殿正雄(著)
尼は彼の出鼻をへし折って隙(すか)さず門を閉めた。阿Qはすぐに押し返したが固く締っていた。もう一度叩いてみたが返辞もしない。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)
声を連(つら)ね筆を揃(そろ)へて一斉(いつせい)に之を讒謗(ざんばう)攻撃して曰(いは)く「軍国多事の隙(げき)に乗じて此事をなす先(ま)づ売国の奸賊を誅(ちゆう)して征露軍門の血祭(ちまつり)せざるべからず——」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
爲五郎などの連絡を惧(おそ)れて、助手も下つ引も誘ふ隙(いとま)が無かつたのです。だが、鍵屋の若旦那、半次郎に逢つて見て、今更事件の容易ならぬ仕組を覺つただけのことです。
と思う間もなく牛乳のガラス瓶があとからあとから生き物のように隙(すきま)を眼がけてころげ出しはじめた。
卑怯者 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
と、彼の左側に居たレオは、突然ぬつくと立ち上つたが、煙を出すために少しばかり隙(あ)けて置いた戸の隙間からすり抜けて外の方へ出て行つた。それから急にけたたましい短い声で吠え出した。
もう真夜中は過ぎたに違いない。俺は先刻から仰向(あおむ)けに寐ころんだまま、木の葉の隙(あいだ)から覗(のぞ)く星どもを見上げている。寂しい。何かひどく寂しい。
山霧と落葉松の隙(あひ)から、大股に。——わたしは、ちやうど、その中間を歩いたことになる。夏服で。白靴で。ぬれしほたれて。……
独楽 (新字旧仮名) / 高祖保(著)
「玉だれの小簾(をす)の隙(すけき)に入りかよひ来(こ)ね」(巻十一・二三六四)、「清き月夜に見れど飽かぬかも」(巻二十・四四五三)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
間がな隙(すさ)がな逢引などをして居たさうですよ
が、慌(あわただ)しく刀を拾うと、何を思う隙(ま)も無さそうに、ギラリと冷かに抜いて、鞘を棄てて提(ひっさ)げたのである。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
フン! 他人(フト)に辛口(カラグヂ)きグ隙(シマ)ネ自分の飯(めし)の上の蠅(ハイ)ホロガネガ。十年も後家立デデ、彼方(アヂ)の阿母(オガ)だの此方(コヂ)の阿母(オガ)だのガラ姦男(マオドコ)したの、夫(オド)ゴト盜(ト)たド抗議(ボコ)まれデ、年ガラ年中肝(きも)焦(や)ガヘデだエ何なるバ。
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
風が唸(ウナ)つて過ぎたと思ふと、其高い隙(スキ)から、どつと吹き込んで来た。ばら/″\落ちかゝるのは、煤(スス)がこぼれるのだらう。明王の前の灯が、一時(イツトキ)かつと明るくなつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)