“隙(すきま)” の例文
と思う間もなく牛乳のガラス瓶があとからあとから生き物のように隙(すきま)を眼がけてころげ出しはじめた。
卑怯者 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
又作は近辺(あたり)を見返ると、往来はぱったり止まって居りますから、何かの事を知った此の車夫(しゃふ)、生(い)けて置いては後日(ごにち)の妨(さまた)げと、車夫の隙(すきま)を伺(うかゞ)い、腰の辺(あたり)をポオーンと突く、突かれて嘉十はもんどり切り
松の袖垣隙(すきま)あらはなるに、葉は枯れて蔓(つる)のみ殘れる蔦(つた)生(は)えかゝりて、古き梢の夕嵐(ゆふあらし)、軒もる月の影ならでは訪ふ人もなく荒れ果てたり。檐(のき)は朽ち柱は傾き、誰れ棲みぬらんと見るも物憂(ものう)げなる宿(やど)の態(さま)。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)