“其隙”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そのすき50.0%
そのひま50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
其切先そのきっさきあやうくも巡査の喉をかすめて、背後うしろの岩に戞然がちりあたると、ぱっと立つ火花に敵は眼がくらんだらしい。其隙そのすきを見て巡査は再び組んだ。せいの低い敵は巡査の足を取った。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
其隙そのすきを見て、市郎は我が足下あしもとに落ちたる大石を両手に抱えるより早く、敵の真向まっこうを目がけて力任せに叩き付けると、頭が割れたか顔が砕けたか、敵は悲鳴をあげて倒れた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それよりは其隙そのひまで内職の賃訳ちんやくの一枚も余計にして、もう、これ、冬が近いから、家内中に綿入れの一枚も引張ひっぱらせる算段をなければならぬ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
其隙そのひまに私はかおを洗う、飯を食う。それが済むと、今度は学校がっこうへ行く段取になるのだが、此時が一日中で一番私の苦痛の時だ。ポチがあとを追う。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)