其隙そのひま)” の例文
それよりは其隙そのひまで内職の賃訳ちんやくの一枚も余計にして、もう、これ、冬が近いから、家内中に綿入れの一枚も引張ひっぱらせる算段をなければならぬ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
其隙そのひまに私はかおを洗う、飯を食う。それが済むと、今度は学校がっこうへ行く段取になるのだが、此時が一日中で一番私の苦痛の時だ。ポチがあとを追う。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
私は先刻さッきから存在を認めていられないようだから、其隙そのひまこッそり雪江さんのかおを視ていたのだ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)