“其奴”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そいつ78.6%
そやつ21.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
はて、不思議だと思いながら、抜足ぬきあしをしてそっけて行くと、不意に赤児の泣声が聞えた。よくると、其奴そいつが赤児を抱えていたのだ。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
スルト其奴そいつが矢庭にペタリ尻餠をいて、狼狽うろたえた眼を円くして、ウッとおれのかおを看た其口から血が滴々々たらたらたら……いや眼に見えるようだ。
「イヤ、胡麻化ごまかしてはいかん、娘はもう白状して居る。花房君、何を遠慮して居るんだ、其奴そやつを縛り上げて、謄本コピーを取り上げてくれ給え」
女記者の役割 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
「で、其奴そやつを追っかけて、ここまで走って参りましたところ、貴殿に突然逢いましたので……それで粗忽そこつにも人違いいたし……」
猫の蚤とり武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)