“後日”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ごじつ43.9%
ごにち39.4%
あと3.0%
こうじつ3.0%
のち3.0%
しまい1.5%
あとあと1.5%
こじつ1.5%
のちのち1.5%
ゴニチ1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これは博士の書斎にある書類棚しょるいだなの、原稿袋の中に保存せられていたもので、後日ごじつこれを発見した人々の間に問題となった一文である。
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
殊にこうした刑事問題に対しては後日ごにちの面倒を恐れて何事もはっきりとは云い切らない傾きがあるので、半七も要領を得ずに引き取った。
半七捕物帳:10 広重と河獺 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
市「へえ、後日あとで分りますが、さアと云う訳になって、アヽうかてえば貴方あんたも泣かねえばなんねえ」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
見物人けんぶつにん容易たやすくこれをけて記念きねんにもし、また後日こうじつおもいとぐちにもなるようになつてゐます。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
あたしのむくろはまだあの井戸の底にあるはずだから、後日のちとはいわず即刻いまにも引き上げて明日の酉の日の分に入れてみようじゃないか——と。
これはマア一つ話ですがそげな来歴わけで、後日しまいにはそのナメラでも満足たんのうせんようになって、そのナメラの中でも一番、毒の強い赤肝を雁皮がんぴのように薄く切ります。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
不思議な事は、わざわいだか、さいわいだか、お孝の妹分と聞いただけで、その向きの客人は一目を置き、三舎を避けて、ただでも稲葉家では後日あとあとが、と敬遠すること、死せる孔明活ける仲達ちゅうたつを走らすごとし。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
天いまだ妾を捨て給わざりけんはしなくも後日こじつ妾の敬愛せる福田友作ふくだともさく邂逅かいこうの機を与え給えり。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
その相談は後日のちのちの事として、ともかくさしづめ、行くべき処を頼んで遣らふ。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
大倭の朝廷ミカドの語部は、征服の物語に富んで居る。いたましい負け戦の記憶などは、光輝ある後日ゴニチ譚に先立つものゝ外は、伝つて居ない。
妣が国へ・常世へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)