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隙
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すか
ふりがな文庫
“
隙
(
すか
)” の例文
尼は彼の出鼻をへし折って
隙
(
すか
)
さず門を閉めた。阿Qはすぐに押し返したが固く締っていた。もう一度叩いてみたが返辞もしない。
阿Q正伝
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
『それ
發射
(
はつしや
)
!。』と
私
(
わたくし
)
が
叫
(
さけ
)
ぶ
瞬間
(
しゆんかん
)
、
日出雄少年
(
ひでをせうねん
)
は
隙
(
すか
)
さず
三發
(
さんぱつ
)
まで
小銃
(
せうじう
)
を
發射
(
はつしや
)
したが、
猛狒
(
ゴリラ
)
は
平氣
(
へいき
)
だ。
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
大
(
おほい
)
に
怒
(
いか
)
つて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
三郎兵衛は、ふと、浪路が、うつむいて、白い細い指先で、こめかみを押えるのを見ると、
隙
(
すか
)
さず言いかけた。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
朗
(
ほがらか
)
に秋の気澄みて、空の色、雲の
布置
(
ただずまひ
)
匂
(
にほ
)
はしう、
金色
(
きんしよく
)
の日影は豊に快晴を飾れる
南受
(
みなみうけ
)
の縁障子を
隙
(
すか
)
して、
爽
(
さはやか
)
なる
肌寒
(
はださむ
)
の
蓐
(
とこ
)
に
長高
(
たけたか
)
く
痩
(
や
)
せたる貫一は
横
(
よこた
)
はれり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
隙
(
すか
)
さず
咽喉
(
のどもと
)
へ
突貫
(
つきとほ
)
さんとしけれども
手先
(
てさき
)
狂
(
くる
)
ひて
頬
(
ほゝ
)
より口まで
斬付
(
きりつけ
)
たり源八
悶
(
もだえ
)
ながら顏を見ればお
高
(
たか
)
なりしにぞ
南無
(
なむ
)
三と
蹴倒
(
けたふ
)
して
其所
(
そこ
)
を
飛出
(
とびいだ
)
し
連
(
つれ
)
の
佐
(
さ
)
七と
倶
(
とも
)
に
後
(
あと
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
隙
(
すか
)
さず、この不気味な和郎を、女房から押隔てて、荷を
真中
(
まんなか
)
へ振込むと、
流眄
(
しりめ
)
に一
睨
(
にら
)
み、直ぐ、
急足
(
いそぎあし
)
になるあとから、和郎は、のそのそ——
大
(
おおき
)
な影を引いて続く。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
余は
隙
(
すか
)
さず「二人の紳士とは、一人は私で今一人は只今此の家を立ち去った権田時介でしょう、彼は私の知人ですが、秀子の事に就いて何を先生へ願いましたか」
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
しかし、声音の自由を失っているので救いを求めることも出来ず、
渾身
(
こんしん
)
の力を
揮
(
ふる
)
って棺の蓋をわずかに
隙
(
すか
)
しまでしたのでしたが、そのまま彼は力尽きて、再び棺中で動けなくなってしまいました。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
お力は返事もしないで、木間を
隙
(
すか
)
して、離座敷の方を眺めた。
甲州鎮撫隊
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
隙
(
すか
)
さず文治は立直りまして大音を張上げ
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と云うのを
隙
(
すか
)
さず
嫁取り二代記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
空しく長き
嘈
(
うめ
)
き声を洩すのみ、此有様
抑
(
そ
)
も如何ように見て取る可きか、目科は
隙
(
すか
)
さず
突
(
つい
)
て入り
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
久八が
隙
(
すか
)
さず
袂
(
たもと
)
に取
縋
(
すが
)
り此程もあれほど御
諫
(
いさめ
)
申せしにお通ひ成るは何事ぞ其後も度々御見かけ申せど此久八に
隱
(
かく
)
れ
廻
(
まは
)
り少しも御身の落付ぬは如何なる
天魔
(
てんま
)
が
魅入
(
みい
)
りしやと涙を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
けれど、
第一
(
だいいち
)
に、
其樣
(
そんな
)
危險
(
きけん
)
な
深山
(
しんざん
)
へ
如何
(
どう
)
して
紀念塔
(
きねんたう
)
を
建
(
た
)
てるか、
外國人
(
ぐわいこくじん
)
の
行
(
ゆ
)
かれぬ
程
(
ほど
)
危險
(
きけん
)
な
處
(
ところ
)
へは、
吾等
(
われら
)
だつて
行
(
ゆ
)
かれぬ
筈
(
はづ
)
では
無
(
な
)
いかと、
隙
(
すか
)
さず
一本
(
いつぽん
)
切込
(
きりこ
)
むと、
武村兵曹
(
たけむらへいそう
)
ちつとも
驚
(
おどろ
)
かない。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
“隙”の意味
《名詞》
(すき、ひま、ゲキ)ものとものの接合部位に生ずる狭い空間。隙間。
(すき)部分的に無防備となった部位又は状態。
(ひま、ゲキ)不和。仲違い。
(出典:Wiktionary)
隙
常用漢字
中学
部首:⾩
13画
“隙”を含む語句
隙間
罅隙
間隙
空隙
隙漏
寸隙
隙間風
隙々
地隙
隙潰
隙虚
隙取
破隙
裂隙
閑隙
雨隙
其隙
岩隙
隙見
手隙
...