“布置”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふち80.0%
たたずまい6.7%
たたずまひ6.7%
ただずまひ6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
深川の妓家ぎか新道しんみち妾宅しょうたく、路地の貧家等は皆模様風なる布置ふち構図のうちおのずか可憐かれんの情趣を感ぜしむ。試みに二、三の例を挙げんか。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
道太は路次ろじの前に立って、さびのついた庭を眺めていた。この町でも別にいいというほどの庭ではなかったけれど、かわいた頭脳あたまには、じじむさいような木石の布置たたずまいが、ことに懐かしくうつるのであった。
挿話 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
かの逆巻さかまく波に分け入りし宮が、息絶えて浮び出でたりし其処そこの景色に、似たりともはなはだ似たる岸の布置たたずまひしげり状況ありさま乃至ないしたたふる水のあやも、透徹すきとほる底の岩面いはづらも、広さの程も、位置も、おもむき
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
ほがらかに秋の気澄みて、空の色、雲の布置ただずまひにほはしう、金色きんしよくの日影は豊に快晴を飾れる南受みなみうけの縁障子をすかして、さはやかなる肌寒はださむとこ長高たけたかせたる貫一はよこたはれり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)