“狂”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くる47.9%
ちが11.8%
10.5%
きょう5.5%
ぐる4.6%
きちがい4.2%
きやう2.5%
くるい2.5%
くるひ2.5%
きちが2.1%
ぐるい1.3%
くるほ0.8%
マニヤ0.4%
あば0.4%
おか0.4%
きちがひ0.4%
くるはし0.4%
くるわ0.4%
ぐるは0.4%
たは0.4%
ちご0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
くだん古井戸ふるゐどは、先住せんぢういへつまものにくるふことありて其處そこむなしくなりぬとぞ。ちたるふた犇々ひし/\としておほいなるいしのおもしをいたり。
森の紫陽花 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
気もちがいましょう、武蔵様は、わたしの心の中の人です。……その人が、なぶり殺しになるかと思えば、じっとしてはいられません。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「何でございますか、向うの嘉吉さんのとこの婆さんが気がれて戸外おもてへ飛び出したもんですから、みんなで取押えるッて騒いだんですよ。」
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
尋常の大津絵ぶしと異なり、人々民権論にきょうせる時なりければ、しょう月琴げっきんに和してこれをうたうを喜び、その演奏を望まるる事しばしばなりき。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
おどろいて、をしっかりとくわえてくらそらがり、にものぐるいでよるあいだ暴風ぼうふうたたかいながらかけりました。
赤い船とつばめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
晩年則重は和歌きちがいであったから、いかさま辞世の一首があるべきだと云うので、何者かゞ後から偽作したように疑えないでもない。
すべての老人としよりほとんきやうするばかりにさわ二日ふつかそのにち卯平うへいには不快ふくわいでさうして無意味むいみつひやされた。かれになつてから
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
彼は人目に触れやすい社交場で、同じ所作しょさをなお二三度くり返した後、発作のために精神にくるいの出る危険な人という評判を一般に博し得た。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それから紫檀したん茶棚ちやだなひとふたかざつてあつたが、いづれもくるひさうななまなものばかりであつた。しか御米およねにはそんな區別くべつ一向いつかううつらなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
さればこそ花見の時と同じやうに、いゝ歳をしてきちがひじみたメリンス友禪の袖を飜してゐるのであらう。
二月堂の夕 (旧字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)
敵ながら勇ましいかくごをきめて、ふたたび舵をわが歩兵陣地へ向け、縦隊のまま死にものぐるいで逆襲して来た。
昭和遊撃隊 (新字新仮名) / 平田晋策(著)
さればガーデのかなたにはウリッセのくるほしき船路ふなぢ見え、近くこなたには、エウローパがゆかしき荷となりし處なる岸見えぬ 八二—八四
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
あながち自己に奉ずるの念、薄きところからきたものとのみは、解し難い。むしろ御性格中に、守銭奴的な、黄金マニヤ的なものがあるのではなかろうか? と、取り沙汰ざたされている。
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
「利助どんも大分に評判がえいからおれもすっかり安心してるよ、もうあばれ出すような事あんめいね」
姪子 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
すこし、気がおかしいんじゃないんでしょうか
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
差向ひに椅子に腰掛けたは運動場近くにある窓のところで、庭球テニスきちがひの銀之助なぞが呼び騒ぐ声も、玻璃ガラスに響いて面白さうに聞えたのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
再び手出しもならざらんやう、かげながら卑怯者ひきようものの息の根をめんと、気もくるはしく力をつくせり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
読者の、ものくるわしく運八翁が、物見から、弓矢で、あるいは銃で、射留めた、と想像さるるのを妨げない。弾丸たまのとどかない距離をまだ註してはいなかったから。
その見上げるばかりのこずゑの梢まで登り尽して、それでまだ満足出来ないと見える——その巻蔓は、空の方へ、身をもだえながらものぐるはしい指のやうに
はや、酔ひしれてたはれきぬ、あな、わが血にぞ。
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「気でもちごうたのか、あの沢庵坊主、今朝聞けば、飛んでもないことを引き受けたちゅうぞ」
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)