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くるひ
語句 | 割合 |
狂 | 75.0% |
來日 | 12.5% |
狂氣 | 12.5% |
又一方には
貸倒の損耗あるを思へば、
所詮仆し、仆さるるは
商の習と、お峯は
自ら
意を強うして、この
老女の
狂を発せしを、夫の
為せる
業とは
毫も思ひ
寄るにあらざりき。
丁と
小脇に
引そばめて
上げつゝ、
高々と
仰向いた、さみしい
大な
頭ばかり、
屋根を
覗く
來日ヶ峰の
一處を
黒く
抽いて、
影法師を
前に
落して、
高らかに
笛を
鳴らした。
翌朝、
一風呂キヤ/\と
浴び、
手拭を
絞つたまゝ、からりと
晴れた
天氣の
好さに、
川の
岸を
坦々とさかのぼつて、
來日ヶ峰の
方に
旭に
向つて、
晴々しく
漫歩き
出した。