“きちが”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
気狂64.5%
気違15.8%
氣違6.6%
6.6%
氣狂2.6%
氕氕1.3%
狂人1.3%
狂気1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
見かけたんだが、まるで、ふらり、ふらりと、魂の抜けた人間みたいに歩いているので、初めは、てっきり気狂きちがいだと思ったくらいだ
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もずはみな、一ぺんにび立って、気違きちがいになったばらばらの楽譜がくふのように、やかましく鳴きながら、東の方へんで行きました。
めくらぶどうと虹 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
ところしたをんなあとに、やぶそとげようとすると、をんな突然とつぜんわたしのうでへ、氣違きちがひのやうにすがりつきました。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「矢っ張り監視を受ける丈けのことはしているんだね。君は若い時分からきちがみずが好きだったからなあ」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
それがだんだんかわつててきました。おたまじやくしになつたのです。男蛙をとこかへるはそれをみると氣狂きちがひのやうになつておこりだしました。なまづをうんだとおもつたのです。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
「そりやうれしいね。びあがつて、氕氕きちがひのやうにおどりまはるかもれないよ。」
(旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
仕事に魂をうばわれた、この狂人きちがいじみた科学者たちは、まともな食事をするのをめんどうくさがって、朝も晩も乾麺麭かんパンばかり喰べてすましているのにちがいなかった。
キャラコさん:04 女の手 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
昨晩ゆうべの癇癪がまたむらむらと起って来た。皮を剥がれ肉を絞られる思いで、今にも狂気きちがいになりそうな気がした。
小さきもの (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)