“気狂”のいろいろな読み方と例文
旧字:氣狂
読み方割合
きちが53.3%
きちがい34.8%
きちがひ5.4%
きぐる2.2%
きちげ2.2%
きちげえ1.1%
きぐるい1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
己れは一度も供せぬと、いふても聞かぬ気の奥様。今日この頃では、全くの、気狂きちがひを見るやうに、そつちも、ぐるじやと、大不興。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
独仙も一人で悟っていればいいのだが、ややともすると人を誘い出すから悪い。現に独仙の御蔭で二人ばかり気狂きちがいにされているからな
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
彼には東京人の上手じやうずに立ち廻る社交術がたまらなかつた。彼は穀物の素朴そぼくさを思ひ出した。残りの日数の少ない点からも、彼の試験勉強は気狂きちがひじみたものだつた。
朧夜 (新字旧仮名) / 犬養健(著)
「そりゃ、お千絵様と、誓ったこともあるだろうが、あのお方は、なおるかどうか分らない程な、気狂きぐるいという病気になっているのだから……」
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おい、水戸様のご隠居様が、この頃、気が狂ったッてよ。気狂きちげえになっちまったんだとさ。とうとう」
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
面喰めんくらったなあ、泰安さ。気狂きちげえに文をつけて、飛んだ恥をかせられて、とうとう、その晩こっそり姿を隠して死んじまって……」
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この間かえった。「ドウダエ馬関ばかんでは大変な事をやったじゃないか。何をするのか気狂きぐるい共が、呆返あきれかえった話じゃないかと云うと、村田が眼にかどを立て、「何だと、遣たら如何どうだ。 ...
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)