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氣違
源さんが
聞たら
何うだらう
氣違ひになるかも
知れないとて
冷評もあり、あゝ
馬車にのつて
來る
時都合が
惡るいから
道普請からして
貰いたいね
所が
泣き
伏した
女を
後に、
藪の
外へ
逃げようとすると、
女は
突然わたしの
腕へ、
氣違ひのやうに
縋りつきました。
馬鹿らしい
氣違じみた、
我身ながら
分らぬ、もう/\
皈りませうとて
横町の
闇をば
出はなれて
夜店の
並ぶにぎやかなる
小路を
氣まぎらしにとぶら/\
歩るけば
始め與力同心
打驚き是は
慮外なり御出馬
先殊に
轡へ取り付とは
抑氣違か
亂心か女め
其處を
放しをれ不禮に及ばは切り捨るぞ大膽不敵も程こそあれ
退れ/\と大音に
叱りながらに
縋る手を