氣違きちが)” の例文
新字:気違
げんさんがきいたらうだらう氣違きちがひになるかもれないとて冷評ひやかすもあり、あゝ馬車ばしやにのつてとき都合つがふるいから道普請みちぶしんからしてもらいたいね
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ところしたをんなあとに、やぶそとげようとすると、をんな突然とつぜんわたしのうでへ、氣違きちがひのやうにすがりつきました。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ひめはさういつて、ひとしほりました。それをくと、おきな氣違きちがひのようにしました。
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
かほをあげしときほうなみだあとはみゆれどもさびしげのみをさへせて、わたし其樣そのやう貧乏人びんぼうにんむすめ氣違きちがひはおやゆづりでおりふしおこるのでござります
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
うす氣味きみわるやにたにたのわらがほ坂本さかもといでては用心ようじんたま千住せんじゆがへりの青物車あをものぐるまにお足元あしもとあぶなし、三島樣しまさまかどまでは氣違きちが街道かいだう御顏おんかほのしまりいづれもるみて
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
人事ひとごと我事わがこと分別ふんべつをいふはまだはやし、おさなごゝろまへはなのみはしるく、もちまへのけじ氣性ぎせう勝手かつてまわりてくものやうなかたちをこしらへぬ、氣違きちが街道かいだうぼけみち
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
いろいろのことたゝまつて頭腦あたまなかがもつれて仕舞しまふからおこことれは氣違きちがひか熱病ねつびようらねども正氣せうきのあなたなどが到底とてもおもひもらぬことかんがへて、ひとしれずきつわらひつ
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
祖父ぢゞいは四かくをばんだひとでござんす、つまりはわたしのやうな氣違きちがひで、ゑきのない反古紙ほごがみをこしらへしに、はんをばおかみからめられたとやら、ゆるされぬとかに斷食だんじきしてんださうに御座ござんす
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)