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氣違
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きちが
源さんが
聞たら
何うだらう
氣違ひになるかも
知れないとて
冷評もあり、あゝ
馬車にのつて
來る
時都合が
惡るいから
道普請からして
貰いたいね
所が
泣き
伏した
女を
後に、
藪の
外へ
逃げようとすると、
女は
突然わたしの
腕へ、
氣違ひのやうに
縋りつきました。
姫はさういつて、ひとしほ
泣き
入りました。それを
聞くと、
翁も
氣違ひのように
泣き
出しました。
顏をあげし
時は
頬に
涙の
痕はみゆれども
淋しげの
笑みをさへ
寄せて、
私は
其樣な
貧乏人の
娘、
氣違ひは
親ゆづりで
折ふし
起るのでござります
うす
氣味わるやにたにたの
笑ひ
顏、
坂本へ
出ては
用心し
給へ
千住がへりの
青物車にお
足元あぶなし、三
島樣の
角までは
氣違ひ
街道、
御顏のしまり
何れも
緩るみて
人事我事分別をいふはまだ
早し、
幼な
心に
目の
前の
花のみはしるく、
持まへの
負けじ
氣性は
勝手に
馳せ
廻りて
雲のやうな
形をこしらへぬ、
氣違ひ
街道、
寢ぼけ
道
いろいろの
事が
疊まつて
頭腦の
中がもつれて
仕舞ふから
起る
事、
我れは
氣違ひか
熱病か
知らねども
正氣のあなたなどが
到底おもひも
寄らぬ
事を
考へて、
人しれず
泣きつ
笑ひつ
祖父は四
角な
字をば
讀んだ
人でござんす、つまりは
私のやうな
氣違ひで、
世に
益のない
反古紙をこしらへしに、
版をばお
上から
止められたとやら、ゆるされぬとかに
斷食して
死んださうに
御座んす