“痕”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あと96.4%
きず1.3%
こん0.7%
のこ0.7%
きずあと0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「それにしても、今日は風當りが強すぎやしませんか。額の八の字に、吸口のあとを付けて、一體何がそんなに親分を困らせるんで?」
いや、船長、このボルク号の艦首は、ひどくこわれているのです。へさきのところに何物かをぶっつけたきずがあります。
幽霊船の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
夢の中には、一こんの月があった。墨のごとき冷風は絶え間なく雲をそよがせ、その雲の声とも風の声ともつかない叫喚さけびがやむと、寝所のとばりのすそに、誰か平伏している者がある。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あるいはその外輪がほかのものに等値的にのこせし射影、さらにその等値性よりして、それと交換しうる異質的存在を指し示す。
うつす (新字新仮名) / 中井正一(著)
三日の間二尺に余る積雪中を辿り歩いた報いは覿面てきめんで、今だにきずあとが寒さに痛む程の凍傷を受けた。
冬の山 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
少しはぢてや首をを揉みながら、自己おのれが発頭人なるに是非なく、有し次第を我田に水引き/\申し出れば、痩せ皺びたる顔に深く長くいたる法令の皺溝すぢをひとしほ深めて
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)