“痕”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
あと96.2%
きず1.5%
こん0.8%
きずあと0.5%
0.5%
のこ0.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“痕”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語7.5%
文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行2.3%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)1.7%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
一幅ごとに残っている開閉あけたて手摺てずれあとと、引手ひきての取れた部分の白い型を、父は自分に指し示した。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
四角なかに、円い蟹、「生きて居る間のおの/\のなり」を果敢はかなく浪の来ぬ間のすなあとつけたまでだ。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
長い長いせた青い顔、額に深い大きなきずあとがあって、そのために片っぽの眼がつりあがり眼玉が飛出している。
首の所は、よくは分らぬが、どうやら、められたきずが紫色になっているらしい。
D坂の殺人事件 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
五体の玉は乱刃らんじんに砕けず左の肩わずかに微傷のこんあり。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
夢の中には、一こんの月があった。墨のごとき冷風は絶え間なく雲をそよがせ、その雲の声とも風の声ともつかない叫喚さけびがやむと、寝所のとばりのすそに、誰か平伏している者がある。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ないというのはおかしいが、太刀で斬られたきずあとの肉が変に縮んでしまったのかも知れない。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
此時は足拵あしごしらえがよかった為めに凍傷にもかからずに済んだが、一月の中旬、金峰きんぷ山麓の増富鉱泉から、木賊とくさ峠を踰えて黒平くろべらへ出た時の旅では、何等の用意もしないで、三日の間二尺に余る積雪中を辿り歩いた報いは覿面てきめんで、今だにきずあとが寒さに痛む程の凍傷を受けた。
冬の山 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
痩せ皺びたる顔に深く長くいたる法令の皺溝すぢをひとしほ深めて、につたりとゆるやかに笑ひたまひ、婦女をんなのやうに軽く軟かな声小さく、それならば騒がずともよいこと
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
自己おのれが発頭人なるに是非なく、ありし次第をわが田に水引き水引き申し出づれば、痩せ皺びたる顔に深く長くいたる法令の皺溝すじをひとしお深めて、にったりとゆるやかに笑いたまい
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
だから五体には化物の歯型一つのこらなかつた。
南風譜 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
かたという言葉は辞書に見れば象、形、容、態、型、式、跡、質、の漢字をあてるごとく、存在のものではなくして、等質的に抽象されしその外輪、あるいはその外輪がほかのものに等値的にのこせし射影、さらにその等値性よりして、それと交換しうる異質的存在を指し示す。
うつす (新字新仮名) / 中井正一(著)