“痕跡”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こんせき76.7%
あと17.2%
あとかた1.7%
かた1.7%
きずあと1.7%
なごり0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
形の上で意識的に調和を求めたような痕跡はみられない。胴体のくねりも遊び足もない。それぞれが古樸に佇立しているだけである。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
私はその壁の向うに飛び散り、粘り付いているであろう血の痕跡を想像しながら、なおも一心に眼をり、奥歯を噛み締めていた。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
痕跡も残さずに拭い上げた口の中の黒血の残りが、斬られて投棄てられる拍子に、仏様の咽喉からセグリ上げて来ようなぞとは閻魔様でも気が付かん事じゃろう。
處々裂けた襖、だらしなく吊下つた壁の衣服、煤ばんで雨漏の痕跡がついた天井、片隅に積んだ自分の夜具からは薄汚い古綿がみ出してる。
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
……その不安そうな姿が時の立つにつれていよいよ深くなる痕跡を菜穂子の上に印したのだった。
菜穂子 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
そのほか大卓子の上には、茶を飲んだ形跡もなければ、物を喰べた痕跡もない。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)