“瞠”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みは87.9%
みひら5.1%
みつ2.2%
どう1.5%
みい0.7%
だう0.4%
つむ0.4%
にら0.4%
ひら0.4%
み0.4%
みはつ0.4%
ミハ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
事件のあったためか、一般の外客は禁足してあり、ただ数人の係員が、私達の闖入(ちんにゅう)に対して、好奇の眼を瞠(みは)っていたに過ぎなかった。
デパートの絞刑吏 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
日頃の柔和さとはガラリ変った態度、色白の顔にほんのり血の気がさして、大きく瞠(みひら)いた双眸(そうぼう)には犯し難い威力と殺気が閃(ひら)めいていた。
入婿十万両 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
婦が言葉を尽して有難がる度に、爺は滅相(めっそう)もないとばかり両手を振った。「うふふ、何を云いなさるだね……」そして目を据えて宙を瞠(みつ)める。
土城廊 (新字新仮名) / 金史良(著)
ルリ子はうららかな太陽の光を浴びながら、梅田十八と抱き合っているうちに、急に梅田の身体が消えてしまって、弾みをくって瞠(どう)とベンチの上に長くなって仆れる。
軍用鼠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
私自身自分の女の肉体に青年のような筋肉の隆起が現われることに神秘的な興味を持ったのだが、気がつくと、これに瞠(みい)っている少女の瞳は燃ゆるようだった。
健康三題 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
梅子は声を呑(の)んで瞠(だう)と伏せり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
彼は電燈のスイッチを捻(ひね)った。すると眼の前に突然華麗な室が現われたので思わず眼を瞠(つむ)った。が、今はそんな事に暇をつぶしている時ではなかった。やがて今宵の目的物が眼に映った。
赤い手 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
政枝はまだ不承知らしい顔をしていたが、「きっとですか」と多可子を瞠(にら)んで念を押した。そして間もなくぐったりして父親や医師のするままになり、やがて素直に体を横にされた。
勝ずば (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
眼を瞠(ひら)いてじっと空を睨(にら)んでいた。
城中の霜 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
自分は飽くまで眼を瞠(み)はり、飽くまで恐れおののく自分を見守って生の岸端に足を踏み堪えなければならない。
宝永噴火 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
初めて聞いた言葉ではないが、お利代は大きい眼を瞠(みはつ)て眤(じつ)と智恵子の顔を見た。何と答へて可(いい)か解らないのだ。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
太政官符(ダイジヤウグワンプ)に、更に厳(キビ)しい添書(コトワキ)がついて出ずとも、氏々の人は皆、目の前のすばやい人事自然の交錯した転変(テンペン)に、目を瞠(ミハ)るばかりであつたので、久しい石城(シキ)の問題も、其で、解決がついて行つた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)