“つむ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ツム
語句割合
38.9%
24.9%
13.5%
紡錘8.3%
4.1%
3.6%
1.6%
1.0%
1.0%
0.5%
0.5%
0.5%
0.5%
頭髪0.5%
0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
若奥様が片膝ついて、その燃ゆる火の袖に、キラリと光る短銃ピストルを構えると、先生は、両方の膝に手を垂れて、目をつむって立ちました。
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
左様、たしかにおりましたよめくらの老婆が。よく縁先の日なたで糸をつむ小車おぐるまを廻していましたが、それが李逵のおふくろでしょう。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「商売上のお打ち合せなら何処へおいでになるのも御自由でしょうが、梯子段から逆さまにお落ちになると、おつむれますよ」
勝ち運負け運 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
またネルリの家長いへをさとヴェッキオの家長いへをさとが皮のみの衣をもて、その妻等が紡錘つむと麻とをもて、心にれりとするを見たり 一一五—一一七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
額は血がのぼって熱し、眼も赤く充血したらしい? ここに倒れても詩の大和路だママよとじっと私は、目をつむってしばらく土に突っ立っていた。
菜の花物語 (新字新仮名) / 児玉花外(著)
生命はとどこおるところなく流動する。創造の華が枯木にも咲くのである。藤原南家の郎女いらつめ藕糸はすいとつむいで織った曼陀羅まんだらから光明が泉のようにきあがると見られる暁が来る。
女は小羊をねらわしの如くに、影とは知りながらまたたきもせず鏡のうちつむる。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
宿場しゆくばとなふところは家のまへひさしを長くのばしてかくる、大小の人家じんかすべてかくのごとし。雪中はさら也、平日も往来ゆきゝとす。これによりて雪中のちまたは用なきが如くなれば、人家の雪をこゝにつむ
昔の糸車にてつむぐ時は、一本のつむに一人を要すべきに、今はわずかに六七人の工女にてよく二千本の錘を扱うをべし。
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
一たん眼をつむつた友はまたぱつと開いて私の顔を真面まともに見た。これも昔見た友の癖である。
過去世 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
彼は電燈のスイッチをひねった。すると眼の前に突然華麗な室が現われたので思わず眼をつむった。が、今はそんな事に暇をつぶしている時ではなかった。やがて今宵の目的物が眼に映った。
赤い手 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
お園は戦く胸を抱いて、恐ろしい言葉がつむぎ出される、男の紅い唇を、魅入られたように見詰めるばかりでした。
かたくなな翼をつむの形にたたむで、灰色のまぶたをとぢてゐた。それを抛げてみると、枯れた芝生に落ちてあつけない音をたてた。近づいて見ると、しづかに血を流してゐた。
測量船 (新字旧仮名) / 三好達治(著)
いいえ青バスでは二度ですが、その前に一度、私はあなたのお頭髪つむをお洗いしたことが御座いますのよ。……まだおわかりになりませんの……
青バスの女 (新字新仮名) / 辰野九紫(著)
「……ネ……お父さま……あの小さな星がいくつもいくつもあるのがお母さまのおつむよ……いつも結っていらっしゃる……ネ……それから二つピカピカ光っているのがお口よ……ネ……」
人の顔 (新字新仮名) / 夢野久作(著)