“厳”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方(ふりがな)割合
いか25.0%
おごそ24.1%
きび12.8%
いかめ10.7%
おごそか4.9%
げん4.7%
やか2.4%
やかま2.1%
いつく1.9%
いつ1.7%
(他:52)9.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“厳”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > 小説 物語51.9%
文学 > 日本文学 > 小説 物語9.7%
文学 > 日本文学 > 詩歌2.7%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
もとの家老とかの屋敷やしきを買い入れて、そのまま開業したという話だが、なるほど見懸みかけからしていかめしい構えだ。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ける一宮大将いちのみやたいしょう」とあって、太い四角な黒枠に入っているいかめしい正装の将軍の写真だった。
火葬国風景 (新字新仮名) / 海野十三(著)
その時、天籟てんらいの声かのように、霧立ちこめた谷底の遥か前方とおぼしい辺から鈴の音がおごそかに聞こえて来た。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
朝々の定まれる業なるべし、神主禰宜ねぎら十人ばかり皆おごそかに装束しょうぞく引きつくろいて祝詞のりとをささぐ。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
台所口から家の使つかいが、お盆へ乗せてふくさをかけたものを持って来ていたが、きびしくしてくれと頼んでいる様子だった。
われわれの間に不和が生じたとすれば、それは、われわれの受けている運命の苛責かしゃくがあまりにきびしかったからだ。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
又半ちやう程行つて二十畳敷ばかりの円い広場へ出たと思ふと、正面に大きないかめしい石門せきもんが立つて居る。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
彼は元の席へもどって腰掛け、ちょっと間をおいて、それから、いつも自分の格言を口にする時のようないかめしさで言った。
自分は老令嬢の態度が、いかにも、おごそかで、一種重要の気にちた形式を具えているのに、すくなからず驚かされた。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
納めた袋の緒を占めるのがかぶとを取ったようで、おごそかに居直って、正午頃ひるごろまでに、見舞う約束が一軒。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と、いう微妙な立場をとって、しかも、げんとして、威を守り、かりそめにも、みだりに動かない態勢たいせいを取っていた。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
吾人ごじんに許されたるは、ピストルに非ず、機関銃に非ず、猟銃も制限いたずらにげんにして駄目、空気銃だけが許されている。
白銅貨の効用 (新字新仮名) / 海野十三佐野昌一(著)
殿「富彌、余りやかましく云わんがい、窮屈にさせるとかえって話が出来ん、成程立派じゃなア、昔の勇士のようであるな」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
女「はい有難うございますが、余り長く居りますとやかましゅうございますから、又御用がございましたら」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
見えすいた広告法だが、やかましい師匠にやらなければ、いけないと思っている、無学町人の親たちには、それが大層評判がよかった。
女「あの大屋さんに知れると悪うございます、橋のきわ瓦斯がすが消えますと宿屋の女が座敷つぼへ参るはやかましゅうございます」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
いつくしき門のいしずえは、霊ある大魚の、左右さうに浪を立てて白く、御堂みどうを護るのを、もうずるものの、浮足に行潜ゆきくぐると、玉敷く床の奥深く
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
月すこし暗かりける処にて、南無妙、さしもいつくしかりけるこの女房、南無妙。
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いつかしき昔の父、おもかげに今し立ち、いさぎよしわが父やげに、昭和八年一月元旦、父の子は我は、ころばえて涙しながる。
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
誉とぞ世人よひと讃へむも然りその老いし父もいつかしくあらむ
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
平民殿様はすっかり下々のことを呑込のみこんでおります。「不義は御家のきつ法度はっと」などは、この御殿では通用しません。
その翌日は非常にきつい坂で三途さんずのがれ坂というのをえねばならん。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
紳士の態度には、何処となくいかついところがあって、はなむのにもおそろしく大きな音をたてる。
「御免。」と掛けた声が可恐おそろしいかつい蛮音。薩摩訛さつまなまりに、あれえ、と云うと、飛上るやら、くるくる舞うやら、ぺたんと坐って動けぬやら。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
わし師匠ししやうきびしかつたし、きやう身体からだぢや、はださへいだことはついぞおぼえぬ。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
一斉に彼のおもてを注視せし風早と蒲田とのまなこは、更に相合うていかれるを、再び彼方あなたに差向けて、いとどきびし打目戍うちまもれり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「夜光の短刀のことにつきまして……」と老人の痩躯そうくおごそかにそびえると、万太郎もやや態度をひきしめて、
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それから宮中の大広間に出て、大勢の尊い役人や、この国の四方を守る四人の王様や、その家来達から、一々御祝いの言葉を受けた時のおごそかだった事。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
「なに、千円をくれる。そんな物は貰ふわけにかない。」裁判官はわざわざ取つておきのしかつべらしい顔をして言つた。
「本は解つとる。」将軍は蟹のやうにしかつべらしい顔をした。「だが、何の本だと訊いとるのぢや。」
しかつべらしく言つてその儘口を閉ぢた事がある。しばらくして文豪はまた口を開いた。
市内で相応に名を売つてゐる或る鶏肉かしは屋の主人あるじ鶏肉かしはの味はとりおと瞬間ほんのまにあります。」と言つてしかつべらしく語り出す。
龍に対するおかみ、罔象に当るみつはのめの呪水の神と考へられた証拠は、神武紀に「水神をイツ罔象女ミツハノメとなす」とあるのでも訣る。
水の女 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
竜に対するおかみ、罔象に当るみつはのめの呪水の神と考えられた証拠は、神武紀に「水神をイツ罔象女ミツハノメとなす」とあるのでもわかる。
水の女 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
岩壁かめしい赭色あかいろの農鳥は、いつ、いかなる時でも、おそらく山が存在する限りは
雪の白峰 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
前穂高のかつい岩壁を仰いで、沢を登ると、残雪に近くなるかして、渓水がちょろちょろ糸のように乱れはじめ、大岩のっ立てたところから、滝となって落ちている、もう沢を行かれないので、草を踏み分けて、左岸の森林の中に迷い込む
谷より峰へ峰より谷へ (新字新仮名) / 小島烏水(著)
甘糟と呼れたるは、茶柳条ちやじま仙台平せんだいひらの袴を着けたる、この中にてひと頬鬚ほほひげいかめしきをたくはふる紳士なり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
晩餐の際には、いかめしい口髯を生やした主人の信之も出た。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
いわおの上のヨハネは、断崖だんがいの上のスフィンクスである。
或いはこの獣が荒血の香を好むというがごとき、怪しい博物学の資料にもなっているようだが実事としてはあまりに似通うた例のみ多く、しかもその故跡には大木やいわおがあって、しばしばたたりを説き亡霊を伝えているのを見ると
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
おばこ此のぢよめえね(このごろ見えぬの意)風でも引いたかやと案じられ、コバエテ/\、風も引かねど親んちやんびしぐで(東北方面には濁音が多い)籠の鳥、コバエテ/\。
春雪の出羽路の三日 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
「へえ、格別、変ったこともござりませなんだが。……朝の四ツごろ使屋つかいやが封じ文を持って来まして、唐木屋はんはそれを読むと、急にこうつウい顔付にならはりまして、間もなくそそくさとお出かけになられましたが……」
其処そこへ、支那宮廷の宴遊の方式と共に、カザり立てた園池・帝徳頌讃の文辞が入りこんで来たのだ。
阿礼其他の立て物の竿頭のだし(郷土研究三の九)として、榊葉・木綿が括られたと見るか、竿の神聖を示す為に、其根方を樒の葉と葛蔓クズカヅラカザ野間ノマ権現の神霊を移す木(三国神社伝記)と同じ意味あひに使はれた物か
幣束から旗さし物へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
月い照るかかるかぐろいつかしき地表のしゆんを我がはなくに
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
その舟のともにはいはほのやうに、黙々と今日けふかいを取つた、おお、お前! 寂しいシヤアロン!
LOS CAPRICHOS (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
五百は優善やすよしを呼んでおこそかに会議の始末を言い渡した。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
妙慧深禅身ヲかざ
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
仕方のなくなった守衛は、屋上からの狭い出口をかためて、そこから一人ずつ通して首実験をしようとしたが、そんなことをしていたら一時間経っても仕事が出来ない。
党生活者 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
森先生に呼ばれて、葉子ようこはそのノートを先生の前へ出した。先生はすこしこわい顔をしてノートを開けて御覧になった。するとそこには、先生の顔がいてあった。
先生の顔 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
『名の意はイカなり。は例のに通ふ助辞、は美称なり』(古事記伝)とあるごとく、厳之神、厳之霊といふ意に落付く語原であつた。
雷談義 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
心ヲ、タヒラニシテ、敵ノ上方勢ヲ見ルニ、武具馬具光リ輝キ、将卒ノ気ハミナビヤカニ、陣装ヂンサウ燦爛サンラン、馬ハ長大ニシテ、悍気カンキ高ク、海外ヨリ得タル新兵器ト火薬ナドノ物智ブツチケ、武者立チ、イカメシク、軍律ヨク行ハレテ、遠ク大坂ト海ヲ隔ツトイヘドモ、前線、常ニ秀吉ノ在ルガ如シ。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)