いつ)” の例文
旧字:
いつかしき昔の父、おもかげに今し立ち、いさぎよしわが父やげに、昭和八年一月元旦、父の子は我は、ころばえて涙しながる。
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
彼アイヌ、眉毛かがやき、白き髯胸にかき垂り、家屋チセに萱畳敷き、さやさやと敷き、いつかしきアツシシ、マキリ持ち、研ぎ、あぐらゐ、ふかぶかとその眼れり。
(新字旧仮名) / 北原白秋(著)
祖先みおやのため、その子らがため、わけても子らの子がため、ただ唱へ南無妙法蓮華経、いとほしと口にはらね、いつかしさまたただならね、ひたぶるのこの親ごころ、その子我
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
いつかしきアツシシ、マキリ持ち、研ぎ、あぐらゐ、よるなす眼のくぼのアイヌ、今は善し、オンコ削ると、息長おきなが息吹いぶき沈み、れ遊び、心足らふと、そのオンコ、たらりたらりと削りけるかも。
(新字旧仮名) / 北原白秋(著)
この朝明あさけしぐるる見れば、霧ふかく時雨るる見れば、うち霧らひ、霧立つ空にいや黒くそのうかび、いや重く下べしづもり、いや古く並び鎮もる、なべてこれ墨の絵の杉、見るからに寒しいつかし
この朝明あさけしぐるる見れば、霧ふかく時雨るる見れば、うち霧らひ、霧立つ空に、いや黒くそのうかび、いや重く下べしづもり、いや古く並び鎮もる、なべてこれ墨の絵の杉、見るからに寒しいつかし
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
誉とぞ世人よひと讃へむも然りその老いし父もいつかしくあらむ
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
帆綱張りゆゆし安けし太敷ふとしきていつのほばしら根生ひ据れり
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
老いらくの父に向へばいつかしき昔のたけさ今はさなくに
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
いつかしき国の境や椴松に雲白うゐてこごりたりけり
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
朝顔の幾花鉢や張るひぢの君いつかしく膝は平らに
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
いつかしきアツシシ
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
いつかしきアツシシ
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
いつかしきアツシシ
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)