“いつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イツ
語句割合
何時57.8%
何日9.9%
7.0%
3.6%
2.9%
2.7%
1.9%
1.5%
1.1%
1.1%
(他:141)10.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
洋燈らんぷひかり煌々くわう/\かゞやいて、何時いつにか、武骨ぶこつなる水兵等すいへいら
何時いつ大陸たいりくたつして、何時いつ橄欖島かんらんたうおもむべしといふ目的あてもなければ
三度ったおり言ってみたが、微笑と軽いうなずきだけで、さて何日いつになっても日を定めて語ろうとした事のなかったのは
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
ただある一人の友は、予が二三日前学校の窓に依りて、何日いつになく、沈んだる調子にて、何か考へいたりしを、見しといへり。
一青年異様の述懐 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
もし其男女の仲が直れば、あとで好く思われる筈は無い、双方の古疵ふるきずを知っているいつの他人であるからである。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
オーストリアのウインのまちにも、ベルリンよりもいつそう立派りつぱ博物館はくぶつかんふたつもあります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
私は産のが附いてはげしい陣痛の襲うて来る度に、その時の感情を偽らずに申せば、いつも男が憎い気が致します。
産屋物語 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
お光は厭味らしく言つて、いつもの滴るやうなうるほひを眼元に見せつゝ、ツンとした風で對岸むかうの方を向いた。
兵隊の宿 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
いつたび目に尼提の曲った路にも、――尼提は狭い路をななたび曲り、七たびとも如来の歩いて来るのに出会った。
尼提 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そのなかには、煉瓦れんがつくつたいつつのしつのある漢時代かんじだいはかがありました。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
何をさせても小器用なと褒められる程の方でも、物事に迷易くていつも愚痴ばかりでは頼甲斐たのみがいのない様にもあり
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
仁「恐れ入りましたな、何ともお礼の申そうようはございません、いつもお噂ばかり申しております実に余り十分過ぎまして……」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
かく鼠が神の使となって人を苦しむるよりこれを静めんとて禁厭まじないを行うたり、甚だしきは神といつき祈った例もある。
予もまたかかる畸形の岩を万一いわゆる基本財産次第で大社といつく事もあらば尊崇の精神を失い神霊を侮辱する訳になると惟う。
いつ晝寢ひるねせんか、市街まちでも散歩さんぽせんかと、思案しあんとり/″\まどつてながめると
そこでいつそ別れようといふ事で、日をめて弁護士のとこに落合つて、その手続をする事に談話はなしを運んだ。
ずるずると引きずり降ろすと、あわれやこいつおしか片輪か、なんにもいわずペタリと坐って、両手を合せて拝んだものです。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いえ、違います。二人組の男の方が、烏啼天駆なんで。こいつは、すこぶる変った賊でございまして、変った物ばかり盗んで行くのです。
つたなかな驕奢けうしやれふ一鳥いつてうたかいつして、こだまわらふこと三度みたび
月令十二態 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
かんざしにて雪のふかさをはかるときは畳算たたみざんと共に、ドドいつ中の材料らしくいやみおほくしてここには適せざるが如し。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
おとらは作の隠れて寝ている物置のような汚いその部屋を覗込のぞきこみながら毎時いつものお定例きまりを言って呶鳴どなった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
お前の努力から受ける感じというのは、柄にもない飛び上りな行いをした後に毎時いつでも残される苦しい後味なのだ。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)
くつわ虫はかしましき声もかたちもいと丈夫ぢやうぶめかしきを、いつしかときにおとろへ行くらん。
あきあはせ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
私はこれを「いつまさに共に西〓の燭をりて、かへつて巴山夜雨の時をかたるべき」と読む。
閑人詩話 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
いつかしき昔の父、おもかげに今し立ち、いさぎよしわが父やげに、昭和八年一月元旦、父の子は我は、ころばえて涙しながる。
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
誉とぞ世人よひと讃へむも然りその老いし父もいつかしくあらむ
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
或晩、氣弱者のお安が平生いつになく眞劒になつて、天理教の有難い事を父作松に説いたことを、松太郎は今でも記憶してゐる。
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
或晩、気弱者のお安が平生いつになく真剣になつて、天理教の有難い事を父作松に説いたことを、松太郎は今でも記憶してゐる。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
親爺おやぢの如きは、神経未熟みじゆくの野人か、然らずんばおのれをいつはる愚者としか代助には受け取れないのである。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
……先夜は、頼母めを苦しめようために、手を触れさえしなかったお浦という女を、手に入れたなどといつわり云ったのに。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
始終使にばかり行っても居なかったろうが、私は勘ちゃんの事を憶出すと、何故だかいつも其使に行く姿を想出おもいだす。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
と、宗教家は口癖のやうに言つてゐるが、さういふ宗教家は、いつも受ける方の地位には立つが、滅多に与ふる者にならうとはしない。
ほとんど毎日まいにちぬといつとほ人間にんげんらしき色艷いろつやもなし
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「四十六せんりんいくらとかいつたつけな」おしなすぐにいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
元来いったいこの倶楽部は夜分人の集っていることは少ないので、ストーブの煙は平常いつも昼間ばかり立ちのぼっているのである。
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
お徳はお源がどんな顔をして現われるかと内々待ていたが、平常いつも夕方には必然きっと水を汲みに来るのが姿も見せないので不思議に思っていた。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
込絡こんがらかつた足音が聞えて、上島と長野が連立つて入つて來た。上島は平日いつにない元氣で、
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
込絡こんがらかつた足音が聞えて、上島と長野が連立つて入つて来た。上島は平日いつにない元気で、
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
住職の老人には私は平時いつ顔馴染かおなじみなので、この時談はなしついでに、先夜見たはなしをすると、老僧は莞爾にっこり笑いながら
子供の霊 (新字新仮名) / 岡崎雪声(著)
銀之助の不平は最早もう二月ふたつき前からのことである。そして平時いつこの不平を明白あからさまに口へ出して言ふ時は『下宿屋だつて』を持出もちだす。決して腹の底の或物あるものは出さない。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
田圃たんぼしぎなにおどろいたかきゝといて、刈株かりかぶかすめるやうにしてあわてゝとんいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
廓内なかだらうかなと問へば、むむ美登利さんはな今の先己れの家の前を通つて揚屋町あげやまち刎橋はねばしから這入はいつていつた、本当に正さん大変だぜ、今日はね
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
この三柱の綿津見の神は、阿曇あづみむらじ等が祖神おやがみいつく神なり。
これの鏡は、もはらが御魂として、吾が御前をいつくがごと、いつきまつれ。
「ところで、昨夜お前が橋場から歸つたのは何刻いつだ」
昨夜ゆうべ何刻いつ頃出たんだ」
あれは何年いつ頃でございましたでしょうか、四谷辺で或る後家が殺された事がございます。
殺された天一坊 (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
遠い九国への旅立なれば、帰るのが何年いつになるやら、……まずまず今宵は拙者のために
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
いつかしき昔の父、おもかげに今し立ち、いさぎよしわが父やげに、昭和八年一月元旦、父の子は我は、ころばえて涙しながる。
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
ある時は安逸の中ゆ仰ぎ見るカントの「善」のいつくしかりし
和歌でない歌 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
と、逐出おいだす筈の者に、如何いつしかポチという名まで附いて、姿が見えぬと父までが一緒に捜すようになって了った。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
彼女かれの石の如き拳は、如何いつまでも冬子の黒髪を握り詰めて放さなかった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「ほんとうに、芸も、位も、江戸が一ばんですのに――みなさんで可愛がって上げたら、屹度きっとこっちに居着いついてしまうでしょうよ」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
「あるかないか、昔からの言い伝えじゃ。お内儀かみさん、お前さんもこの土地に居着いつきなさるものなら、よく覚えておおきなさい、鉾尖ヶ岳から白馬ヶ岳まで一筋の雲……」
大菩薩峠:05 龍神の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
となりいつてノ蚊帳かや釣手つりてを打つんだから鉄槌かなづちして下さいとつてりてい。
吝嗇家 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「でも、ええ氣になつて、引ツ張られていつたぢやないか?」
いつくしみの微妙さを 思う。
五月の空 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
そして、大切そうに皆に取り巻かれ、気分もよほどよくなったらしい面持ちをしながら、家からの迎えを待っている若者を眺めてから、いつくしみに満ち充ちた心を持って、裏口から誰も気の付かないうちに、さっさと帰って行ってしまった。
禰宜様宮田 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「あいつ、あ、あ、いつ。」
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
(あいつ。)
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)