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當番
無論です、けれど
本船の
當番水夫は
眼の
無い
奴に、
情の
無い
奴です、
一人は
茫然して
居ます、
一人は
知つて
知らぬ
顏をして
居ます。
人の
知らない
行をします——
其の
晝の
寢床から
當番の
女を
一人、
小脇に
抱へたまゝ、
廣室に
駈込んで
來たのですが、
皆來い! と
呼立てます。
添て
荷ひ不淨門へ向ひ屆ける
樣は今日用人平石次右衞門
老母儀病死致候依て只今
菩提所へ送り申なり御門御通し下さるべしと
斷りけるに
當番の御小人目附は
錠を明け駕籠を