當番たうばん)” の例文
新字:当番
無論むろんです、けれど本船ほんせん當番たうばん水夫すゐふやつに、こゝろやつです、一人ひとり茫然ぼんやりしてます、一人ひとりつてらぬかほをしてます。
ひとらないぎやうをします——ひる寢床ねどこから當番たうばんをんな一人ひとり小脇こわきかゝへたまゝ、廣室ひろま駈込かけこんでたのですが、みんない! と呼立よびたてます。
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
添てになひ不淨門へ向ひ屆けるやうは今日用人平石次右衞門老母儀らうぼぎ病死びやうし致候依て只今菩提所ぼだいしよへ送り申なり御門御通し下さるべしとことわりけるに當番たうばんの御小人目附はぢやうを明け駕籠を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
當日たうじつからでは數日前すうじつぜん當番たうばんもの村落中むらぢうあるいて二がふづゝでも三がふづゝでも白米はくまいもらつて、になれば當番たうばん者等ものらあつまつた白米はくまい晩餐ばんさんめしを十ぶんいてそのことごと甘酒あまざけつくむ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
當番たうばん水夫すゐふからは何等なにら報告ほうこくうちけつして信じません。いわんや此樣こんな平穩おだやか海上かいじやう難破船なんぱせんなどのあらうはづい、無※ばかなツ。
ところへ——靴音くつおとをチヤ/\ときざんで、銀杏いてふはうからなすつたのは、町内ちやうない白井氏しらゐしで、おなじく夜警やけい當番たうばん
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
下駄げた穿いてつた氏子うぢこ總代等そうだいら乞食こじきしかつたり當番たうばん注意ちういしたりした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
領す澤井佐太夫の次男に友次郎といふ者あり當年十九歳にて古今無双の美男なりしが早晩いつの程にかお花とわりなき中となり喜内が當番たうばんの留守の夜などにはひそかにお花がねやに忍び來り語らう事も稀に有しかば彼の若黨の吾助は此樣子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
難船なんせん? それはなんですか、本船ほんせんにはえず海上かいじやう警戒みは當番たうばん水夫すゐふがあるです、あへ貴下きかはずらはすはづいです。』
勿體もつたいないが、ぞく上潮あげしほから引上ひきあげたやうな十錢紙幣じつせんしへい蟇口がまぐち濕々じめ/\して、かね威光ゐくわうより、かびにほひなはつたをりから、當番たうばん幹事かんじけつして剩錢つりせん持出もちださず、會員くわいゐん各自かくじ九九九くうくうくうつぶそろへて
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
次會じくわい當番たうばん雪岱氏せつたいしあづかつた。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)