“何等”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なんら84.4%
なにら9.4%
なんとう2.1%
いずれ1.0%
どん1.0%
なに1.0%
なん1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
第二、上等士族を給人きゅうにんと称し、下等士族を徒士かちまたは小役人こやくにんといい、給人以上と徒士以下とは何等なんらの事情あるも縁組えんぐみしたることなし。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
當番たうばん水夫すゐふからは何等なにら報告ほうこくうちけつして信じません。いわんや此樣こんな平穩おだやか海上かいじやう難破船なんぱせんなどのあらうはづい、無※ばかなツ。
「しかし、そりやさうとして、なんとかくじがあたらないものかな? 今の僕達ぼくたちには何等なんとうだつてかまはないんだ。ねえ、さうだらう?」
(旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
作家が何等いずれか説を建て、それが不幸にも間違っていたり、あるいはひどく古かったり、乃至ないしは他人に反感を持たれたり、そんなようなことがあった場合、早速作家は裏を見られ、かなえの軽重を問われるので
大衆文芸問答 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
シカシこのままにして捨置けば将来何等どん傷心恨かなしい事が出来しゅったいするかも測られぬ。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
ここにおいて文殊師利もんじゅしり維摩詰ゆいまきつに問う。我ら各自みなみな説きおわれり。仁者きみ、まさに説くべし。何等なにをかこれ菩薩、にゅう不二法門という。時に、維摩、黙然ことばなし。文殊師利嘆じて曰く善哉よきかな善哉。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
見ると、何等なんの記憶に苦むということも無いような顔付をして、乳呑児の頭の方へ無心に母らしい手を延ばしながら、静かに横に成っていた。三吉は燭台しょくだいを妻の寝顔に寄せた。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)