何等なん)” の例文
見ると、何等なんの記憶に苦むということも無いような顔付をして、乳呑児の頭の方へ無心に母らしい手を延ばしながら、静かに横に成っていた。三吉は燭台しょくだいを妻の寝顔に寄せた。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)