“何事”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なにごと81.1%
なんに7.1%
なに5.5%
なにこと1.6%
なん1.6%
なんごと1.6%
なにごっ0.8%
なにごとか0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
牛丸平太郎が、おどりあがってよろこんでいる姿を見つけて少年探偵団の、小玉、横光、田畑の三君が、何事なにごとならんとかけつけてきた。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
何事なんにも知らずに世の中へ出て来た私を仮りに生徒とすれば、その少年の生徒の前へ来て種々いろ/\なことを教へて呉れた教師が誰だつたか
(新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
何事なに? ……うしたの? ……何うしたの?」と、気にして聞く。私は、失敗しくじった! と、穴にも入りたい心地をつとめて隠して
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
これではじつ仕方しかたがない、其故それゆゑわたくし生徒せいとむかつて常々つね/″\まをしてります。何事なにこと自分じぶん研究けんきうして御覽ごらんなさい、研究けんきうして自分じぶん難問なんもん解釋かいしするやうにさい。これはあなが讀書どくしよのみにかぎりません。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
「ところがそうで無いらしいから困るテ……豊世もあれで、森彦叔父さんなら何事なんでも話せるが、どうも三吉叔父さんは気遣きづかいだなんて言ってる」
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
お八代さんは窓から、中の様子をジッと見まわしておりましたが「お前はそこで何事なんごとしおるとな」と落付いた声で尋ねました。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
こんいけ畜生め、暮れの飯米はんまいもねいのに、博打ぶちたあ何事なにごったって、どなったまではよかったけど、そら眼真暗だから親父と思ってしがみついたのがその親分の定公であったとさ。
隣の嫁 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
なんでも出来ると思う、精神一到せいしんいっとう何事なにごとか不成ならざらんというような事を、事実と思っている。意気天をく。怒髪どはつ天をつく。へいとして日月じつげつ云々うんぬんという如き、こういうことばを古人はさかんに用いた。
教育と文芸 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)