“気遣”のいろいろな読み方と例文
旧字:氣遣
読み方割合
きづか65.8%
きづかい19.6%
きづけ4.1%
きづかひ2.7%
きづけえ2.7%
きづかわ1.4%
きつか0.9%
きづこ0.9%
きづかは0.5%
きづかはし0.5%
きづ0.5%
きづかえ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ましてぽん引きの長蔵さんなどに対して、神聖なる羞恥しゅうちの血色を見せるなんてもったいない事は、夢にもやる気遣きづかいはありゃしない。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「もう少し訊いて下さい、沢屋の三郎兵衛は二た時も前に、虫のように殺されているんだ。あわてたところで、生き返る気遣きづかいはない」
百両なんてえ金を持ってる気遣きづけえはねえ、彼様な奴が盗賊どろぼうだかんだか知れやアしない、此様こんな大きな石を入れて置きやアがって
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
まあ、ね、病院も上等へ入れて手宛てあては十分にしてあるのだから、決して気遣きづかひは無いやうなものだけれど、何しろ大怪我だからね。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
伊「己もまさか惚れる気遣きづけえは有るめえと思うが、これッ切り来られねえもんだから、ツイちん/\を起して、無理な事を云ったのよ」
我家の方角なれば、気遣きづかわしとてわれを負ひながら急ぎ帰りしが、我が住む横町へ曲らんとする瞬間、思ひがけなくも猛烈なる火は我家を焼きつつありと見るや母は足すくみて一歩も動かず。
わが幼時の美感 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
ホテルまえ電車でんしや突切つきころわたしはM、H夫人ふじんはなしながらあるいてゐたが、彼女かのじよわたし自動車じどうしやにでもかれはしないかと気遣きつかつて、どうかするとそでつたりして
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
(百姓は、好きですること。必ず気遣きづこうてくれるな)
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
貫一は蹈留ふみとどまりて海に向ひて泣けり。宮はこの時始めて彼に寄添ひて、気遣きづかはしげにその顔を差覗さしのぞきぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
遊覧せんとありしには似で、貴婦人の目をあぐれども何処いづこを眺むるにもあらず、うつむき勝に物思はしき風情ふぜいなるを、静緒は怪くも気遣きづかはしくて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
いまから中学へはいられるか気遣きづかっています。
賤「気遣きづかえがないったって、お内儀が迎いに来たのだから嬉しそうな顔付をしてさ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)