気遣きづけえ)” の例文
旧字:氣遣
伊「己もまさか惚れる気遣きづけえは有るめえと思うが、これッ切り来られねえもんだから、ツイちん/\を起して、無理な事を云ったのよ」
兄弟分きょうだいぶんになればい悪いをあかしあうのが兄弟分だ、兄分あにぶんの己の口から縛らせる気遣きづけえねえ、殺したから殺したと云えと云うに
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
多「送らねえでも宜えたって、村のもんと己とは違う、己はあんた十四の時から側にいるので、何所どこまで送っても村のものは兎や角云う気遣きづけえねえから送り申しますよ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
実は此処こゝに百両持ってるが、これはおめえのをったんじゃアねえぜ、己はんなかゝあの着物を着て歩くくれえの貧乏世帯じょてえの者が百両なんてえ大金てえきんを持ってる気遣きづけえはねえけれど
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
圓「これ青や、どうしたゞ、これあと退しやるか足でもどうか成ってるか、痛む気遣きづけえはねえが、多助の母様かゝさまやかましい人だから早く往ってやれ、青どうした、われ塩梅あんべいでも悪いか」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
其処そこ江戸子えどこだからのう、兄弟分の固めを仕なければならねえが、おいおめえ田舎は堅えから、己の弟分だと云えば、何様どんな間違まちげえが有ったってもお前他人にけじめを食う気遣きづけえねえ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
何うしたって嬢様が逃げ出す気遣きづけえはねえだ、逃げなけりゃア殺されることもねえだ、それを知って居ながら黙ってゝ、嬢様が逃出してから殺されゝば、汝が殺したも同じこんだぞ
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
この雪じゃアとても尋ねてくことは出来ねえだ、雪解ゆきとけまで待たざアなりますめえ、幸いお女中が無事で居なさりゃア、此の辺に居る気遣きづけええね、越後か上州へ連れてかれたにちげえねえだ
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)