気遣きづけ)” の例文
旧字:氣遣
百両なんてえ金を持ってる気遣きづけえはねえ、彼様な奴が盗賊どろぼうだかんだか知れやアしない、此様こんな大きな石を入れて置きやアがって
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「それがよかろう、俺らはムクのことは大丈夫だと思ってるんだ、あの犬は人に殺される気遣きづけえはねえとこう思ってるんだ」
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
こんりんざい人の来る気遣きづけえはねえ、へたにあばれるより、おちついてよく考げえてみるんだ、四つのときそこで、死にかかっていたってえことをな、——あばよ
「何を言うんだ、お前は恋患いだって言うじゃないか、大の男が恋患いで死ぬ気遣きづけえはねえ、それに、夜中にそっと抜け出して、金沢町のあたりをフラ/\歩くことまでわかっているんだ」
せな「アレまア、われせえ云わなければ知れる気遣きづけえねえから云うじゃアねえよと、おら口止くちどめして、自分からおッ饒舌ちゃべるって、なんてえこった」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「いいてえことよ、誰も八五郎を誘拐かどわかし曲者くせものだと言う気遣きづけえはねえ」
お前さんもまんざらいやならば此様こんな処まで手を引張ふっぱって逃げてめえる気遣きづけえもねえが、宿屋の婿むこになったら何うだ、屎草履くそぞうりを直さねえでもいから
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
清「それ見ろ、彼様あんなにいうのに打様うちようを覚えねえからだ、中の釘は真直まっすぐに打っても、上の釘一本をありに打ちせえすりゃアとめの離れる気遣きづけえはいというのだ……杉の堅木かたぎか」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
しかし仏壇ですから中から打付かるものは花立が倒れるとか、香炉がころがるぐれえの事ですから、気遣きづけえはございません、嘘だと思召すなら丁度今途中で買って来た才槌せいづちを持ってますから
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
アレマアわれさえ云わなければ知れる気遣きづけえはねえ、われが心配しんぺいだというもんだから、お前さまの前へ隠していたんだ、夫婦の情合じょうあいだから、云ったらおめえあんまり心持もくあんめえと思ったゞが
気遣きづけえしねいが
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)