“忌”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
い34.6%
いま27.2%
いや24.5%
いみ5.7%
き2.7%
いと1.3%
いまわ0.8%
きら0.8%
いめ0.4%
いまは0.4%
にく0.4%
をみ0.4%
いむ0.2%
えや0.2%
も0.2%
イミ0.2%
キ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
概して、彫刻家は、余技画をかくらしい。文壇人の余技画では、梅の絵を見ない。陳腐を忌(い)むのかもしれない。が、梅は年々新しい。
梅ちらほら (新字新仮名) / 吉川英治(著)
手(て)を見(み)ると竦(ぞつ)とする。鱗(こけ)のある鉛色(なまりいろ)の生物(いきもの)のやうに、眼(め)の前(まへ)にそれが動(うご)いてゐる。噫(あゝ)、切(き)つて了(しま)ひたい。此手(このて)の触(さは)つた所(ところ)も忌(いま)はしい。
それでも帯取りの池という忌(いや)な伝説が残っているもんですから、誰もそこへ行って魚(さかな)を捕る者も無し、泳ぐ者もなかったようでした。
半七捕物帳:08 帯取りの池 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
忌(いみ)もまだ明けないだらうつて。奥さんにも似合はない旧弊なことを仰(おつ)しやるのですね。忌位(ぐらゐ)明けなくつたつて、いゝぢやありませんか。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
と。既(すで)に馳(は)すること(二九)三輩(はい)し畢(をは)りて、(三〇)田忌(でんき)一(ひと)たび勝(か)たずして再(ふたた)び勝(か)つ。卒(つひ)に王(わう)の千金(きん)を得(え)たり。是(ここ)に於(おい)て忌(き)、孫子(そんし)を威王(ゐわう)に進(すす)む。
いや、かれの心の奥を割ってみれば、かれの心も、決してお綱を忌(いと)ってはいないのだ。むしろ、弦之丞もいつかお綱を好もしくさえ思っている。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何かにつけて彼は自分の一生の危機が近づいたと思わせるような、ある忌(いまわ)しい予感に脅されるように成った。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
盡しけるに母も父が七回忌(くわいき)に當(あた)る年(とし)病死なしければ傳吉の愁傷(しうしよう)大方ならず且(かつ)親類(しんるゐ)は只當村(たうむら)の長(をさ)上臺憑司(かみだいひようじ)而已(のみ)なれ共是は傳吉の不如意を忌(きら)ひ出入を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
新「忌(いめ)えましい奴だな、此畜生(こんちきしょう)、作藏/\おい作や、魘れて居るぜ、作藏、眼を覚まさねえかよ、作藏、夢を見て居るのだ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
茶をすゝむる妻の小皺(こじわ)著(いちじるし)き顔をテカ/\と磨きて、忌(いまは)しき迄艶装(わかづくり)せる姿をジロリ/\とながめつゝ「ぢやア、お加女(かめ)、つまり何(どう)するツて云ふんだ、梅の望(のぞみ)は」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
「私は、もうあなたとは縁がつきております、強いて合うと、天に忌(にく)まれます。すこし余裕をこしらえて、時どき会おうではありませんか。」
阿英 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
豐明節會(とよのあかり)の忌(をみ)ごろも、童男(をぐな)のひとり
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫、薄田淳介(著)
出せば大藤受取て世に婚禮(こんれい)には用(もち)ひる日(ひ)と又忌(いむ)可(べ)き日と有といへども何(いづれ)も附會(ふくわい)の説(せつ)の多くて取可き所ろも更(さら)になし然は云へ世俗(せぞく)に從はずば和郎(そなた)の方の如何(いかゞ)にやと思ふ計りに良辰(よきひ)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
夫婦に成れと仰しゃっても私は否(えや)でござえます、斯(こ)んな忌(えや)な人の女房にはなりませんと云切(いいき)ったら何う致します
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
彼は、後醍醐のために、七々(四十九日)の忌(も)に服し、さらにその百ヵ日には、等持院へのぞんで、盛大な仏事をいとなんだ。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
加うるに、陸遜の陣を措(お)いて、水路から突き出したのは、玄徳が運の極まるものというべきだ。古語にもいう——叢原(ソウゲン)ヲ包ンデ屯(タムロ)スルハ兵家ノ忌(イミ)——と。彼はまさにその忌を犯したものだ。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)