“いまわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
臨終53.6%
7.1%
可忌7.1%
最期7.1%
末期7.1%
居周3.6%
今際3.6%
居廻3.6%
今和1.8%
最終1.8%
死際1.8%
終焉1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
われがにたっだ一言臨終いまわに言い残す事があるから此処こけえ呼んだんだが、おかめも此処こけう、多助も此処こけう、おえいも五八も皆呼んでくれ
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
且元のこうしたいまわしい行動は、当時の心ある大阪の民衆に極度の反感を起さしめた。何某なにがしといえる侠客の徒輩が、遂に立って且元を襲い、その兵百人ばかりを殺害したという話がある。
真田幸村 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
紫玉は敗竄はいざんした芸人と、荒涼たる見世ものに対して、深い歎息ためいきらした。つあはれみ、且つ可忌いまわしがつたのである。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
最期いまわの際にしろ、彼女は、雪之丞に、一目だけでも逢うことが出来、その抱擁ほうようの中に、いのちを落せたのだった。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
この時、忽然こつぜん弓之進は、以前まえかた死んだ葉之助が、「代りが来るのだ! 代りが来るのだ! 次に来る者はさらに偉い!」と末期いまわに臨んで叫んだことを偶然ゆくりなくも思い出した。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
お増は寒い風にふかれながら、婆さんに教えられた、その店の居周いまわりを、いつまでもうろうろとしていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
身請して女房にょうぼとなし松山のいえを立てさせくれと今際いまわの頼み其の場はのがれ去り其のきん五百円にてお久を身受致みうけいたし夫婦と相成候それ故に苗字をとって松山園となづけ居りしが昨夜親子の困難を
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
向島での病人は、みんな居廻いまわりでしたが、ここでは近在から来る人が多いので、車を置く場所をこしらえたのです。代診二人、薬局生一人、それに勝手を働く女中と、車夫とが来ました。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
勝久は看板を懸けてから四年目、明治十年四月三日に、両国中村楼で名弘なびろめの大浚おおざらいを催した。浚場さらいば間口まぐちの天幕は深川の五本松門弟じゅう後幕うしろまく魚河岸問屋うおがしどいや今和いまわと緑町門弟中、水引みずひきは牧野家であった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
最終いまわの遊宴……最終の呼吸……糸のごと臨終いまわ喘咽あえぎ
と口ではいえどぞっと身の毛がよだつ程恐ろしく思いましたは、八年ぜん門番の勘藏が死際いまわに、我が身の上の物語を聞けば、己は深見新左衞門の次男にて、深見家改易のまえに妾が這入り、間もなく
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
時に長者は二人の子を枕に招きて、死するも生くるも天命なれば汝等そちたちみだりに歎くべからず、ただ我終焉いまわに臨みて汝等に言ひ置くことあればく心に留めて忘るるなかれ
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)