末期いまわ)” の例文
そのまま久能は鼓を取り得ずに逃げ帰って間もなく息を引き取ったが、その末期いまわにこんなことを云った。
あやかしの鼓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
この時、忽然こつぜん弓之進は、以前まえかた死んだ葉之助が、「代りが来るのだ! 代りが来るのだ! 次に来る者はさらに偉い!」と末期いまわに臨んで叫んだことを偶然ゆくりなくも思い出した。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
何だ、まだびくびくするか、往生際の見苦しい奴だ。「そんならどうでも助からぬか、末期いまわの際に次三郎さんにお目にかかって、おのれの悪事をお知らせ申しかたきが討って貰いたい。 ...
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
末期いまわきわにタッタ一言……タタタ、タッタ一言……コレエ……」
芝居狂冒険 (新字新仮名) / 夢野久作(著)