“忽然”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こつぜん82.8%
こつねん14.9%
たちまち1.9%
ぬつ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すなはち仏前に座定ざじょうして精魂をしずめ、三昧さんまいに入る事十日余り、延宝二年十一月晦日みそかの暁の一点といふに、忽然こつぜんとしてまなこを開きていわ
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
その眼の前には、忽然こつねんと、隠岐の荒海が近づいていた。いちめん、白い微粒な霧の怒濤が睫毛まつげをふさぐほど押し流れて来たのであった。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
われも其の真似をするが如く、息を凝らして覗き見るに、忽然たちまち、神気逆上して吾が心も、わが心ならず。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
附て道中をなされましとはなしながらに行所を此所こなた松陰まつかげより忽然ぬつと出たる畔倉重四郎ものをも云ずうまうへなる飛脚の片足かたあしをばつさりと切付きりつけたり飛脚はアツと馬よりころげ落るを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)