最期いまわ)” の例文
依志子 妙念様、そうではございませぬ、もう最期いまわに私も、物のまことを申しとうございます、私は——私は——
道成寺(一幕劇) (新字新仮名) / 郡虎彦(著)
最期いまわの際にしろ、彼女は、雪之丞に、一目だけでも逢うことが出来、その抱擁ほうようの中に、いのちを落せたのだった。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
クラーヴヂヤ・ペトローヴナの娘の一人の祭日用にとってあった純白の晴着を着せて最期いまわの裝いをさせ、合掌した手には花を握らせて、亡骸を廣間の卓子のうえに安置した時
猟夫は最期いまわと覚悟をした。……
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)