いまわ)” の例文
何かにつけて彼は自分の一生の危機が近づいたと思わせるような、あるいまわしい予感に脅されるように成った。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
且元のこうしたいまわしい行動は、当時の心ある大阪の民衆に極度の反感を起さしめた。何某なにがしといえる侠客の徒輩が、遂に立って且元を襲い、その兵百人ばかりを殺害したという話がある。
真田幸村 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
今宵高田にめあわすよしかねて得三に聞いたれば、こもまた心懸りなり、一度家に立返りて何卒なにとぞお藤を救いいだし、またこそ忍び出でなんと、いまわしき古巣に帰るとき、多くの人にあやしませて
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「心にいまわしい点あるか」と反問せよ
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
おのれの心にいまわしい点があるか」
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)