“猜忌”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さいき78.6%
さいぎ21.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
猜忌さいき、嫉妬、疑惑、さういふものが常に全身を圧した。そして無中むちうに有を見るに苦んだ。時には魂も亡ぶやうな苦しみを苦んだ。
心理の縦断と横断 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
氏郷が家康を重く視ていず、又余り快く思っていなかったことは実際だったろう。秀吉も猜忌さいきの念の無いことは無い。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
村落むらいきほ嫉妬しつと猜忌さいぎとそれからあらたおこつた事件じけんたいするやうな興味きようみとをもつ勘次かんじうへそゝがれねばならなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
彼は其処そこにつッ立って自分の方をじっと見て居るそのつきを見て自分は更に驚きつ怪しんだ。かたきを見るいかりの眼か、それにしては力薄し。人を疑う猜忌さいぎの眼か、それにしては光鈍し。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)