猜忌さいぎ)” の例文
村落むらいきほ嫉妬しつと猜忌さいぎとそれからあらたおこつた事件じけんたいするやうな興味きようみとをもつ勘次かんじうへそゝがれねばならなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
彼は其処そこにつッ立って自分の方をじっと見て居るそのつきを見て自分は更に驚きつ怪しんだ。かたきを見るいかりの眼か、それにしては力薄し。人を疑う猜忌さいぎの眼か、それにしては光鈍し。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
そこで猜忌さいぎの悪徳のためにほとんど傷心してしまった。
糸くず (新字新仮名) / ギ・ド・モーパッサン(著)
かれけつして他人たにん爭鬪さうとうおこしたためしもなく、むしきはめて平穩へいをん態度たいどたもつてる。たゞ彼等かれらのやうなまづしい生活せいくわつもの相互さうご猜忌さいぎ嫉妬しつととのそばだてゝる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
れでも彼等かれらこゝろふかたがひじやうきざむまで猜忌さいぎみはつて勘次かんじあざむきおほせることは出來できなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)