“嫉妬”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しっと66.7%
やきもち16.3%
しつと7.4%
ねたみ3.8%
じんすけ0.6%
りんき0.4%
ちん/\0.4%
ねた0.4%
やい0.4%
やく0.4%
やっか0.4%
うはなりねた0.2%
ねたましさ0.2%
0.2%
やか0.2%
やき0.2%
やきもちやき0.2%
やけ0.2%
やっかみ0.2%
ウハナリネタミ0.2%
ジャルウ0.2%
ゼラシー0.2%
ヤキモチ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その顔が、毒々しい嫌悪と侮蔑と嫉妬しっとに、しわだらけにゆがんでいる。……再びヒョッと顔を動かして、洞窟のあちこちを見まわす。
胎内 (新字新仮名) / 三好十郎(著)
だから堅いが堅いに立たぬのは男女の間柄、何事もありはしまいが、店の若い者がおかしく嫉妬やきもちをいうとか、出入の者がいやに難癖を
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
平常ふだんから心掛の良い、少し氣の弱いお吉が、どんなに嫉妬しつとに眼がくらんだにしても、そんな大それた事を仕出かさうとは思はれません。
わが血は嫉妬ねたみのために湧きたり、我若し人の福ひを見たらんには、汝は我の憎惡にくしみの色におほはるゝをみたりしなるべし 八二—八四
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
貴嬢あなたも」ト口頭くちさきまで出たが、どうも鉄面皮あつかましく嫉妬じんすけも言いかねて思い返してしまい
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「私を尾行しているのんですわ。いつもああなんです。なにしろ、嫉妬りんき深い男ですよって」
秋深き (新字新仮名) / 織田作之助(著)
新「あら、花魁お可愛そうにねえ海上さん、そんなことアありゃしませんね、花魁の嫉妬ちん/\あんまり手放しすぎるわ」
そう云った時お妻の眼へ、嫉妬ねたましさを雑えた冷笑のようなものが、影のようにチラリと射した。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「あの人の感情は一つのこと——誇りに集中されてゐるのです。それには謙遜が必要です。嫉妬やいた、ジエィン?」
「しかし何ですよ、女は、自分のれた男が、別嬪べっぴんの女房を持ってると、嫉妬やくらしいようですがね。男は反対です、」
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
自分で僕にぶちまけて、あなたのことを笑っていましたよ! ところで、あなたが僕を監獄へ入れたがるわけは、あの婦人のことで僕を嫉妬やっかんでいるからです。
その大后いはの日賣の命、いたく嫉妬うはなりねたみしたまひき。かれ天皇の使はせるみめたちは、宮の中をもえのぞかず、言立てば、足も足掻あがかに妬みたまひき。
と共に、自分の心の奥へ、嫉妬ねたましさの情の起こるのを、何うすることも出来なかった。
甲州鎮撫隊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
然うして後から私も化け込んで、見え隠れに附けているとも知らず、此女こいつとお前さんは道連れに成って仲好くして、縺れぬばかりに田圃路を歩きなすった。案山子かがしまで見て嫉妬いていたじゃあないか
死剣と生縄 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
「うむ。だが——、嫉妬やかれる方がいいな。黙ってただじいと眺めていられるのは辛い」
魔性の女 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
するとどうでしょうお柳という女は、わたしをジロリと見返しましたが、「いいじゃアないか、お嫉妬やきでないよ」
怪しの者 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
懲らすような仕打ちに出ておどして嫉妬やきもちやきを改造してやろう、もうその嫉妬ぶりに堪えられない、いやでならないという態度に出たら、これほど自分を愛している女なら
源氏物語:02 帚木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
これは、あんまり二人が仲よく茶を飲んでいるものですから、新鍋が嫉妬やけを起して沸騰をはじめたというわけではありません。
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
随全寺の一件なぞを嫉妬やっかみし、毎日のように付け廻しては同棲を迫るが、自分はもうあんな男にはこりごりだと、いつかも寝物語に所化へ洩したとのこと。
磐姫嫉妬ウハナリネタミの記述は、記紀いづれにもあるが、国語の表現に近寄つてゐるだけに、古事記の方が感じも深く、表現も行きとゞいて居り、古代人の官能まで、直に肌や毛孔から通ふやうに覚えるのである。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ねえ、ピエールさん、あたしがこんなあばれかたをしたって、嫉妬ジャルウだなんて思ってもらっては困るぜ。そんなんじゃないんだ。お前のことなんぞ、馬の尻尾だとも思っちゃいないんだ。
キャラコさん:05 鴎 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ドクトルはやはり寒い側部屋で酒に餓えさせ乍ら獣の黄色い牙を磨かせて置く方が興味価値があったのだのに。夫人はこれほどうまそうに飲む老人の嗜慾に嫉妬ゼラシーを感じた。
バットクラス (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
牡獅子ヲジヽ牝獅子メジヽツガヒ——ツガヒ——獅子、其に絡む嫉妬ヤキモチ獅子とでもいふべき二人ダテの獅子、三人立の獅子と言つた形の石橋様式を流しこんだものが多かつた。
獅子舞と石橋 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)