“嫉妬”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
しっと64.5%
やきもち17.1%
しつと8.4%
ねたみ3.5%
じんすけ0.7%
ねた0.5%
やい0.5%
やく0.5%
やっか0.5%
りんき0.5%
(他:13)3.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“嫉妬”を含む作品のジャンル比率
文学 > フランス文学 > 小説 物語48.1%
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸21.0%
文学 > 日本文学 > 小説 物語9.3%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
わたくしは旧習に晏如あんじょとしている人たちに対する軽い羨望せんぼう嫉妬しっとをさえ感じないわけには行かなかった。
草紅葉 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
彼等はほとんど一時間ごとに、甘い自惚うぬぼれと胸をかきむしる様な嫉妬しっととを、交互に感じなければならなかった。
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
帰途かえりに電車の中でも、勢いその事ばかりが考えられたが、此度のお宮に就いては、悪戯いたずらじゃない嫉妬やきもちだ。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
女房が旦那は何処かへ女か何か出来やしないかと思うと、これが嫉妬やきもちの玉子で、すると御亭主のする事なす事そう見えます。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
子供はそれを見ると、一種の嫉妬しつとでも感じたやうに気狂ひじみた暴れ方をして彼の顔を手でかきむしりながら押し退けた。
An Incident (新字旧仮名) / 有島武郎(著)
平次は暗い心持で甚内橋を渡りました。事件は女の嫉妬しつとか、女の嫉妬と見せかけた、恐ろしくタチの惡い男の毒計でせう。
小鹿が母を慕うような優しい瞳は少くとも万人の眼をいて随分評判の高かっただけに世間の嫉妬ねたみもまた恐ろしい。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
一度も縁づいた事のない彼女が、嫉妬ねたみがましい息づかいで、まるで夢遊病者のような狂体を演じようとしている。
放浪記(初出) (新字新仮名) / 林芙美子(著)
貴嬢あなたも」ト口頭くちさきまで出たが、どうも鉄面皮あつかましく嫉妬じんすけも言いかねて思い返してしまい、
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
何の、嫉妬じんすけの刃物三昧ざんまい切尖きっさきが胸から背まで突通るもんですか。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そう云った時お妻の眼へ、嫉妬ねたましさを雑えた冷笑のようなものが、影のようにチラリと射した。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
イングラム孃は嫉妬ねたむに足らぬ人であつた。
「あの人の感情は一つのこと——誇りに集中されてゐるのです。それには謙遜が必要です。嫉妬やいた、ジエィン?」
「旦那様はお前を嫉妬やいているのだよ」
生死卍巴 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「しかし何ですよ、女は、自分のれた男が、別嬪べっぴんの女房を持ってると、嫉妬やくらしいようですがね。男は反対です、」
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私なぞは、土足のままに踏みあらさるる板場の扱ひ、嫉妬やくなとはさておいて、うつかりすれば、今の間も、この身躰が焚きものに、つぶされでもせぬ事かと、腹が立つそのたび毎、羨ましい種子にもしました、あの奥様の御身分も、今の委しいお話では、あんまりどつといたしませぬ。
移民学園 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
「弥吉どん。やい。弥吉、わりゃあ何だな、お糸と役者の乳繰えを嫉妬やっかんで、よんべおりきんとこから出て来る役者を、ここらで待ってばっさりり、えこう、えれえ手の組んだ狂言からくりたくみやがったのう、やいやい、小僧、どうでえ、音を立てろっ。」
お父さんは僕がこの婦人に対して弱みを持っていると非難されましたが、その実あなたがこの婦人をそそのかして、僕を誘惑させたのじゃありませんか! ええ、あの女は僕に面と向かって話しましたよ。自分で僕にぶちまけて、あなたのことを笑っていましたよ! ところで、あなたが僕を監獄へ入れたがるわけは、あの婦人のことで僕を嫉妬やっかんでいるからです。
「私を尾行しているのんですわ。いつもああなんです。なにしろ、嫉妬りんき深い男ですよって」
秋深き (新字新仮名) / 織田作之助(著)
それに、えらい焼餅やきですの。私も嫉妬りんきしますけど、あの人のは
秋深き (新字新仮名) / 織田作之助(著)
またその神の嫡后おほぎさき須勢理毘賣すせりびめの命、いたく嫉妬うはなりねた二〇したまひき。
その大后いはの日賣の命、いたく嫉妬うはなりねたみしたまひき。
わきの人とこそ/\耳こすりでもされますと男同士でも嫉妬ちん/\を起して、あれ茂山しげやま氏のそばへばかり往って居る、一体彼奴あいつは心掛けが宜くない
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
と共に、自分の心の奥へ、嫉妬ねたましさの情の起こるのを、何うすることも出来なかった。
甲州鎮撫隊 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
案山子かがしまで見て嫉妬いていたじゃあないか
死剣と生縄 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
「うむ。だが——、嫉妬やかれる方がいいな。黙ってただじいと眺めていられるのは辛い」
魔性の女 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
とうとうわたしは腹立たしさのあまり、かなり烈しい声で、そう言ったものでございます。するとどうでしょうお柳という女は、わたしをジロリと見返しましたが、「いいじゃアないか、お嫉妬やきでないよ」
怪しの者 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
とにかくみじめなほど私に参っている女なんだから、懲らすような仕打ちに出ておどして嫉妬やきもちやきを改造してやろう、もうその嫉妬ぶりに堪えられない、いやでならないという態度に出たら、これほど自分を愛している女なら
源氏物語:02 帚木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
これは、あんまり二人が仲よく茶を飲んでいるものですから、新鍋が嫉妬やけを起して沸騰をはじめたというわけではありません。
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
その男が、今日このごろはいっそう兇暴になって、随全寺の一件なぞを嫉妬やっかみし、毎日のように付け廻しては同棲を迫るが、自分はもうあんな男にはこりごりだと、いつかも寝物語に所化へ洩したとのこと。
磐姫嫉妬ウハナリネタミの記述は、記紀いづれにもあるが、国語の表現に近寄つてゐるだけに、古事記の方が感じも深く、表現も行きとゞいて居り、古代人の官能まで、直に肌や毛孔から通ふやうに覚えるのである。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ねえ、ピエールさん、あたしがこんなあばれかたをしたって、嫉妬ジャルウだなんて思ってもらっては困るぜ。そんなんじゃないんだ。お前のことなんぞ、馬の尻尾だとも思っちゃいないんだ。……憎いのは、キャラコさんばかりじゃない。
キャラコさん:05 鴎 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
夫人はこれほどうまそうに飲む老人の嗜慾に嫉妬ゼラシーを感じた。
バットクラス (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
牡獅子ヲジヽ牝獅子メジヽツガヒ——ツガヒ——獅子、其に絡む嫉妬ヤキモチ獅子とでもいふべき二人ダテの獅子、三人立の獅子と言つた形の石橋様式を流しこんだものが多かつた。
獅子舞と石橋 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)