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嫉妬
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やきもち
ふりがな文庫
“
嫉妬
(
やきもち
)” の例文
だから堅いが堅いに立たぬのは男女の間柄、何事もありはしまいが、店の若い者がおかしく
嫉妬
(
やきもち
)
をいうとか、出入の者がいやに難癖を
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「アア、わかった。お通さんは、あそこで武蔵様がよその女と、先刻からあんなことして話しているんで、
嫉妬
(
やきもち
)
をやいているんだね」
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ねえあなたア、断わっておくけれどあたしとっても
嫉妬
(
やきもち
)
やきなのよ、もしも浮気なんかしたら、とり殺すことよ、よくって、あなた」
ゆうれい貸屋
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「ハイ、
今年
(
こんねん
)
取つて五十三歳、旦那様に三ツ上の婆アで御座います、決して新橋あたりへ行らつしやるなと
嫉妬
(
やきもち
)
などは焼きませんから」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
「面白いな、観音様の前で夫婦の固めの盃をしよう。友吉
兄哥
(
あにい
)
は仲人だ——観音様はまさか
嫉妬
(
やきもち
)
などはお焼きなさるまい」
奇談クラブ〔戦後版〕:07 観音様の頬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
あなた方はあまり深く人心を
洞察
(
どうさつ
)
しすぎるよ。あれは倉持が
惚
(
ほ
)
れていたのです。それにちがいはありません。そして
嫉妬
(
やきもち
)
も男の方が焼いたのさ。
芳川鎌子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
その
中
(
うち
)
でもオナリ婆さんの
嫉妬
(
やきもち
)
振りは正気の沙汰とは思えない位で、乱暴にも一知が来た晩からマユミと同じ部屋に寝る事を絶対に許さなかった。
巡査辞職
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「お前とはよく喧嘩をしたり、
嫉妬
(
やきもち
)
を焼いたりしたもんだなア。あれっきりだんだんあんなことはなくなったねえ」
雪の日
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
池上は
嫉妬
(
やきもち
)
やきでした。そしてそのことは去年の秋の末に、池上にはじめて中洲の料亭へ連れ出されたその食事の席で、彼みずから打明けたことでした。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「何、旦那さん、
癇癪持
(
かんしゃくもち
)
の、
嫉妬
(
やきもち
)
やきで、ほうずもねえ
逆気性
(
のぼせしょう
)
でね、おまけに、しつこい、いんしん不通だ。」
みさごの鮨
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これにてお拭きなされと介抱をなしけるに、友達の中なる
嫉妬
(
やきもち
)
や見つけて、藤本は坊主のくせに女と話をして、嬉しさうに禮を言つたは可笑しいでは無いか
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ただ
彼女
(
あれ
)
が
余
(
あ
)
んまり
嫉妬
(
やきもち
)
を
焼
(
や
)
いて
仕方
(
しかた
)
がございませんから、ツイ
腹立
(
はらだち
)
まぎれに二つ三つ
頭
(
あたま
)
をどやしつけて、
貴様
(
きさま
)
のような
奴
(
やつ
)
はくたばって
了
(
しま
)
えと
呶鳴
(
どな
)
りましたが
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
いえ、別に
嫉妬
(
やきもち
)
を焼くわけではございませんが、正直のところ、まあそんな感じがないでもありません。
停車場の少女
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
とても持ちきれないから、と断ると、彼等の
曰
(
いわ
)
く、「いや、是非、之等のものを積んでラウペパ王の家の前を通って帰って下さい。
屹度
(
きっと
)
、王が
嫉妬
(
やきもち
)
をやくから。」
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
これは幾分かネーチュンその者が利益を沢山
貪
(
むさぼ
)
るというところから、多少
嫉妬
(
やきもち
)
心で言う人もあるでしょうけれども、その言うところはとにかく適中して居ります。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
一対
(
いっつい
)
の
内裏雛
(
だいりびな
)
のような……と言い出すものがあると、いやそうでない、ああいう殿様に限って、奥方が
醜女
(
ぶおんな
)
で
嫉妬
(
やきもち
)
が深くて、そのくせ、殿様の方で頭が上らなくて
大菩薩峠:14 お銀様の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
剛情で我儘で浮気で
嫉妬
(
やきもち
)
で其上に少々抜けてる
醜面
(
すべた
)
を当てがつて懲らしてやるが好いのさ。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
ただ、あいつが僕の所へ来た手紙の事で、
嫉妬
(
やきもち
)
を焼いただけの事なんだ。が、その時僕はあの女の腹の底まで見えたような気がして、一度に
嫌気
(
いやき
)
がさしてしまったじゃないか。
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
夫婦喧嘩は、始終の事で珍しくも無いが、
殊更
(
とりわけ
)
此頃亭主が清元の稽古に往く師匠の
延津
(
のぶつ
)
○とかいう
女
(
ひと
)
と
可笑
(
おかし
)
いとかで盛に
嫉妬
(
やきもち
)
を焼いては、揚句がヒステリーの発作で、
痙攣
(
ひきつ
)
ける。
越後獅子
(新字新仮名)
/
羽志主水
(著)
ちんちろりんは随分な
嫉妬
(
やきもち
)
焼きで雌が
他
(
よそ
)
の雄と
談話
(
はなし
)
でもしてゐようものなら、いきなり相手を
後脚
(
あとあし
)
で蹴飛ばすさうだが、薩摩者もこの点ではちんちろりんに劣らぬ道徳家である。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
それも例年ならば、
収穫後
(
とりいれご
)
の嫁取婿取の噂に、
嫉妬
(
やきもち
)
交りの話の種は尽きぬのであるけれども、今年の様に作が悪くては、田畑が
生命
(
いのち
)
の百姓村の悲さに、これぞと気の立つ話もない。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
そう思わせて置いたらよい、———と云うのであって、彼女はその腹で彼と附合っていたのであるが、啓ちゃんが気が小さくて、
嫉妬
(
やきもち
)
を焼くので、詰まらない誤解を受けるのも厭だから
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
国事
(
おおやけ
)
に関する暗撃果合いや、
新刀
(
あらもの
)
試し辻斬の類を
除
(
ぬ
)
かした土民人情の縺れから来る兇行の因に五つある。
物盗
(
ものとり
)
、恐怖、貪慾、
嫉妬
(
やきもち
)
、それから意趣返しと。伊兵衛の場合はあきらかに物盗ではない。
釘抜藤吉捕物覚書:08 無明の夜
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
尼の
嫉妬
(
やきもち
)
はその時代として前代未聞、宿の者もまた興を
覚
(
さま
)
していた。
備前天一坊
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
「私が暴れて
打壊
(
ぶちこわ
)
したようなもんですの。あの人はまたどうして、あんなに気が多いでしょう。
些
(
ちょ
)
いと何かいわれると、もう好い気になって一人で騒いでいるんですもの。その癖
嫉妬
(
やきもち
)
やきなんですがね」
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「ハヽヽヽ、羨しいや、お蝶が
嫉妬
(
やきもち
)
をやきはしないの?」
鏡地獄
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
「
幾
(
いく
)
ら
嚊
(
かゝあ
)
の
嫉妬
(
やきもち
)
燒
(
や
)
くもんでも、あゝえもなあねえな」
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
あんたは
嫉妬
(
やきもち
)
のために眼が
晦
(
くら
)
んでいるのね
赤い手
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それを師匠が
嫉妬
(
やきもち
)
をやきまして、何も怪しい事も無いのにワク/\して、眼の
縁
(
ふち
)
へポツリと
腫物
(
できもの
)
が出来まして、それが
斯
(
こ
)
う
膨
(
は
)
れまして
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
一万二千石の大名が、たった一と目で所望したのも、奥方が必死の
嫉妬
(
やきもち
)
陣を布いたのも、決して無理ではありません。
銭形平次捕物控:045 御落胤殺し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
帰途
(
かえり
)
に電車の中でも、勢いその事ばかりが考えられたが、此度のお宮に就いては、
悪戯
(
いたずら
)
じゃない
嫉妬
(
やきもち
)
だ。
洒落
(
しゃ
)
れた唯の悪戯は長田のしそうなことではない。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
今日もチラと
侍女
(
こしもと
)
に様子を聞くと、御方さまも、ここ四、五日新九郎さんが
帰
(
けえ
)
らねえため、ひどく
嫉妬
(
やきもち
)
を起して不機嫌だそうだ。そう聞くと、こっちは
廂
(
ひさし
)
を
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これにてお
拭
(
ふ
)
きなされと介抱をなしけるに、友達の中なる
嫉妬
(
やきもち
)
や見つけて、藤本は坊主のくせに女と話をして、
嬉
(
うれ
)
しさうに礼を言つたは
可笑
(
をか
)
しいでは無いか
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
いえ、別に
嫉妬
(
やきもち
)
を焼くわけではございませんが、正直のところ、まあそんな感じが無いでもありません。
停車場の少女:――「近代異妖編」
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
だからこの時も姫草看護婦に対する疑いを、普通一般の
嫉妬
(
やきもち
)
と混同するような気は毛頭起らなかった。
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
大
(
たい
)
ていは
男
(
おとこ
)
に
情婦
(
おんな
)
ができて
夫婦仲
(
ふうふなか
)
が
悪
(
わる
)
くなり、
嫉妬
(
やきもち
)
のあまりその
情婦
(
おんな
)
を
呪
(
のろ
)
い
殺
(
ころ
)
す、と
言
(
い
)
ったのが
多
(
おお
)
いようで、
偶
(
たま
)
には
私
(
わたくし
)
の
所
(
ところ
)
へもそんなのが
持
(
も
)
ち
込
(
こ
)
まれることもあります。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
お
金子
(
かね
)
を遣って
旅籠屋
(
はたごや
)
を世話するとね、
逗留
(
とうりゅう
)
をして帰らないから、旦那は不断女にかけると
狂人
(
きちがい
)
のような
嫉妬
(
やきもち
)
やきだし、相場師と云うのが
博徒
(
ばくちうち
)
でね、命知らずの
破落戸
(
ならずもの
)
の子分は多し
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
此反対な二人の
莫迦
(
ばか
)
に
親密
(
なかよし
)
なのは、他の娘共から常に怪まれてゐた位で、また半分は
嫉妬
(
やきもち
)
気味から、「
那麽
(
あんな
)
阿婆摺
(
あばずれ
)
と一緒にならねえ方が
可
(
え
)
えす。」と、
態々
(
わざわざ
)
お定に忠告する者もあつた。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「あれがそれ、駒井能登守様の奥方よ。どうだ、おれの言った通り
素敵
(
すてき
)
なものではないか、
醜婦
(
ぶおんな
)
で
嫉妬
(
やきもち
)
が深くて、うっかり女中にも手出しができないと言ったのは誰だ、ここへ出て来い」
大菩薩峠:14 お銀様の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「あたしは死んで仕舞ったら、この男にはよかろうが、あとに残る旦那が可哀想だという気がして来てね。どんな身の毛のよだつような男にしろ、
嫉妬
(
やきもち
)
をあれほど
妬
(
や
)
かれるとあとに心が残るものさ」
老妓抄
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
嫉妬
(
やきもち
)
喧嘩の時などには、
忌々
(
いまいま
)
しげにそれが言い立てられた。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
其の
嫉妬
(
やきもち
)
の起った時結構な一首の歌がありますからお教え申します、「雲晴れぬ浅間の山の浅ましや人の心を見てこそ
止
(
や
)
まめ」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ありゃ親分、人形同士が
嫉妬
(
やきもち
)
を焼くんだ、その証拠には、小紫人形の側に居る男人形が、キッとやられますぜ」
新奇談クラブ:06 第六夜 人形の獄門
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
妾がヤングに欺されているように思うのはソレアあんたの
嫉妬
(
やきもち
)
よ……まあいいから黙ってお酒を飲みながら聞いていらっしゃい。あんたの気もちはよくわかっているんだから。
支那米の袋
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
羽織
(
はをり
)
の
袂
(
たもと
)
も
泥
(
どろ
)
に
成
(
な
)
りて
見
(
み
)
にくかりしを、
居
(
ゐ
)
あはせたる
美登利
(
みどり
)
みかねて
我
(
わ
)
が
紅
(
くれない
)
の
絹
(
きぬ
)
はんけちを
取出
(
とりいだ
)
し、これにてお
拭
(
ふ
)
きなされと
介抱
(
かいほう
)
をなしけるに、
友達
(
ともだち
)
の
中
(
なか
)
なる
嫉妬
(
やきもち
)
や
見
(
み
)
つけて
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その
嫉妬
(
やきもち
)
喧嘩から仲間割れが出来て、おまんは全真を連れて何処へか立ち去るという。
半七捕物帳:46 十五夜御用心
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「自信があります。その策というのは、郭汜の妻は、有名な
嫉妬
(
やきもち
)
やきですから、その心理を用いて、彼の家庭からまず、反間の計を施すつもりです。おそらく失敗はあるまいと思います」
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
優しい
女
(
こ
)
での、今もそれ言う通り、あんまりあんたを可愛がるもんじゃから、
私
(
わし
)
は
羨
(
うらやま
)
しいので、つい、それ
嫉妬
(
やきもち
)
を焼いて、ほんに、貢さんの半分だけなと、
私
(
わし
)
を可愛がッてくれたらなと、の
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「じゃ、あんた、
嫉妬
(
やきもち
)
やきなの」
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
女房が旦那は何処かへ女か何か出来やしないかと思うと、これが
嫉妬
(
やきもち
)
の玉子で、すると御亭主のする事なす事そう見えます。
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“嫉妬”の解説
嫉妬(しっと)とは、自分よりも優れていると感じる人に対して妬みや嫉みといった感情を抱く悪徳である。
(出典:Wikipedia)
嫉
常用漢字
中学
部首:⼥
13画
妬
常用漢字
中学
部首:⼥
8画
“嫉妬”で始まる語句
嫉妬心
嫉妬家
嫉妬深
嫉妬焼
嫉妬男
嫉妬喧嘩
嫉妬陣
嫉妬燒
嫉妬的
嫉妬紛