“打壊”のいろいろな読み方と例文
旧字:打壞
読み方割合
ぶちこわ41.7%
うちこわ16.7%
ぶっこわ12.5%
ぶちこ8.3%
うちくづ4.2%
うちこは4.2%
たたきこわ4.2%
ぶちこは4.2%
ぶっこは4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「あれほど己が言っておいたに、今ここでそんなことを言出すようじゃ、まるで打壊ぶちこわしじゃないか」お爺さんは可悔くやしそうに言った。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
仏蘭西フランスの革命の時に、バステユと云う牢屋を打壊うちこわして中から罪人を引出してやったら、喜こぶと思いのほか、かえって日の眼を見るのを恐れて
中味と形式 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
許嫁いいなずけ打壊ぶっこわれだとか、三社様の祭礼に見初めたとかいう娘が、柳橋で芸妓げいしゃをしていた。
遺稿:02 遺稿 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一度で得た記憶を二返目へんめ打壊ぶちこわすのは惜しい、たび目にぬぐい去るのはもっとも残念だ。「塔」の見物は一度に限ると思う。
倫敦塔 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かへさでは我あるべきか、今は一切世間の法、まつた一切世間の相、森羅万象人畜草木しんらばんしやうにんちくさうもく悉皆しつかいわがみあだなれば打壊うちくづさでは已むまじきぞ、心に染まぬ大千世界、見よ/\
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
だから、冷淡であるから情が濃でないのか。自分に対する愛情がその冷淡を打壊うちこはすほどに熱しないのか。あるひは熱しあたはざるのが冷淡の人の愛情であるのか。これが、研究すべき問題だ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
偏屈の源因げんいんであるから、たちまち青筋を立てて了って、あてにしていた貴所あなた挙動ふるまいすらも疳癪かんしゃくの種となり、ついに自分で立てた目的を自分で打壊たたきこわして帰国かえって了われたものと拙者は信ずる
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
僕一人が悪者になれば、翁さん姨さんを始めお前の迷惑にもならずに打壊ぶちこはして了ふことは出来る、だからお前の心持を聞いた上で手段があるのだが、お前もつて見る気は有るのかい
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「あ、生洲、打壊ぶっこはすとこだぞ。」と叫んだ。
さいかち淵 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)