“打擲”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちょうちゃく73.6%
ちやうちやく10.1%
ぶんなぐ4.7%
ぶたれ1.6%
うちたゝ0.8%
うちたた0.8%
うちや0.8%
たゝか0.8%
ちようちやく0.8%
どや0.8%
なぐ0.8%
ひっぱた0.8%
ぶちたたき0.8%
ぶちたて0.8%
ぶちたゝ0.8%
ぶちなぐ0.8%
ぶっぽ0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と同時のように、ぴしりぴしりとお白州から、あば敬がさっそくお手のものの拷問を始めたらしく、打ち打擲ちょうちゃくの音が聞こえるのです。
僅の袖の擦り合ひにももつれだして、お互を打擲ちやうちやくし合ふまで罵り交はさなければ止まないやうな日はこの二人の間には珍らしくなかつた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
一生懸命に引っ張って行こうとすると後退あとずさりしてなかなか進まない。後から杖で打擲ぶんなぐって追い遣ろうとしてもどうしても動かない。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
貴方あなた何時いつにかくるしんだことでもるのですか、くるしみとこと理解りかいつておでゝすか、あるひ失禮しつれいながら貴方あなたはお幼少ちひさい時分じぶん打擲ぶたれでもなされましたことがおりなのですか?
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
以てサア有體に云々いへ/\きびし打擲うちたゝき種々手をかへせむると雖もお島は更にくつせず後にはまなことぢて一向に物を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
車夫が梶棒かじぼうへ綱を付けて、その綱の先をまた犬に付けて坂路をのぼるのだそうだが、暑いので犬がともすると渓河たにがわ清水しみずを飲もうとするのを、車夫がいかって竹の棒でむやみに打擲うちたたくから
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その石を打擲うちやって仕舞しまって代りの石を拾うて入れて置き、又隣家の下村しもむらと云う屋敷の稲荷様を明けて見れば、神体は何か木のふだで、これとってゝ仕舞しまい平気な顔して居ると、もなく初午はつうまになって
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
引受ひきうけアノ一てつなる親父殿どのに罪なき足下そなた打擲たゝかれ廿餘年の奉公を贅事むだにしていとまを引され夫を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ようやくに之を引立て、ほど近ければ我家に連れ帰り、打擲ちようちやくをすれどもかつて物を言はず、且つつえの下痛める体も無く、何とも仕方無ければ、夜明けて再び糾明きゆうめいすべしとて、うまやに強く縛り附け置きしに
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「何かしやがる、らさうに。打擲どやしつけるぞ!」
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
吉川は初子の頬を打擲なぐった、力をこめて、立てつづけにぶん打擲った。彼女は彼の胴中に武者振りついて、大袈裟な悲鳴を揚げ
青い風呂敷包 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
膝下ひざもとへ呼び出して、長煙草ながぎせる打擲ひっぱたいて、ぬかさせるすうではなし、もともと念晴しだけのこと、縄着なわつき邸内やしきうちから出すまいという奥様の思召し、また爺さんの方でも、神業かみわざで、当人が分ってからが
政談十二社 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これが他の殿方ででもあったら、奥様の御髪おぐし掻廻つかみまわして、黒縮緬ちりめんの御羽織も裂けるかと思う位に、打擲ぶちたたきもなさりかねない場合でしょう。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
く来たな、此の寒いのにかねえでもいゝから泊ってきなよ、此間こねえだはお作が悪戯わるさアして気の毒な事をした、うちなア阿魔を小言いって打擲ぶちたてえたが、仕様のねえ奴で、堪忍してくんなよ
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
梅「呆れてしまう、腹が立つなればね、宿屋へ泊って落著おちついてお云いな、何もこんな夜道の峠へかゝって、人も居ない処へ来て打擲ぶちたゝきするはあんまりじゃアないか、此処こゝで別れるとお云いのはお前見捨てる了簡かえ」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
角「わしも斯ういう事になるんなら話合いにしたものを、打擲ぶちなぐるべえと思ったら此様こんな事になってしまって、誠に気の毒だ」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
二十両に負けてくれべい、だがくせい荷を引張ひっぱってくのは難儀だアから、彼処あすこ沼辺ぬまべりよしかげで、火をけて此の死人しびとを火葬にしてはどうだ、そうして其の骨を沼の中へ打擲ぶっぽり込んでしまえば