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打擲
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ちやうちやく
ふりがな文庫
“
打擲
(
ちやうちやく
)” の例文
僅の袖の擦り合ひにも
縺
(
もつ
)
れだして、お互を
打擲
(
ちやうちやく
)
し合ふまで罵り交はさなければ止まないやうな日はこの二人の間には珍らしくなかつた。
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
と
讀了
(
よみをは
)
り藤八サア是でも
汝等
(
うぬら
)
は爭ふかと云れて九郎兵衞は今更面目なさに娘お里を引据此猥婬者めと人前
繕
(
つくら
)
ふ
打擲
(
ちやうちやく
)
に
後家
(
ごけ
)
のお深も猶惣内を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
人の噂では士官の面部を
打擲
(
ちやうちやく
)
したと云ふことである。兎に角普通なら、この時ステパンは
貶黜
(
べんちつ
)
せられて兵卒になる所であつた。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
『一ッ
車
(
くるま
)
、
何
(
なん
)
だらう?』とは
思
(
おも
)
つたものゝ
考
(
かんが
)
へてる
隙
(
ひま
)
もなく、
軈
(
やが
)
て
砂礫
(
されき
)
の
雨
(
あめ
)
が
窓
(
まど
)
に
降
(
ふ
)
りかゝると
見
(
み
)
る
間
(
ま
)
に、二三
人
(
にん
)
して
愛
(
あい
)
ちやんの
顏
(
かほ
)
を
打擲
(
ちやうちやく
)
しました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
野だは二三秒の間毒気を抜かれた体で、ぼんやりして居たが、おや是はひどい。御
撲
(
ぶち
)
になつたのは情ない。この吉川を御
打擲
(
ちやうちやく
)
とは恐れ入つた。愈以て日清談判だ。
坊っちやん
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
先刻
(
さつき
)
ジョンに
毆
(
なぐ
)
られて
轉
(
ころ
)
んで怪我をした私の頭は、未だに痛みが
止
(
や
)
まず、血が流れてゐた。ジョンが、無法な
打擲
(
ちやうちやく
)
の手を私に加へても、たしなめる者も無いのだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
『なんぢはまことの孔雀でもないに、なぜにわれらをおとしめるぞ』と、取りまはいてさんざんに
打擲
(
ちやうちやく
)
したれば、羽根は抜かれ脚は折られ、なよなよとなつて息が絶えた。
孔雀
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
いふより早し肩先てうと蹴倒し、詫ぶる詞は耳にもかけず、力に任せて
打擲
(
ちやうちやく
)
しつ
心の鬼
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
今にも
貴嬢
(
あなた
)
を
打擲
(
ちやうちやく
)
なさるかと、お側に居る私さへ身が
慄
(
ふる
)
ひました——それに奥様の悪態を御覧遊ばせ、恩知らずの、
人非人
(
にんぴにん
)
の、
何
(
なん
)
の
角
(
か
)
のと、
兎
(
と
)
ても口にされる訳のものでは御座いませぬ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
劇
(
はげ
)
しくゆすり
搖
(
うご
)
かし、靜にせずば
打擲
(
ちやうちやく
)
せむ、といひしが、急に
手巾
(
ハンケチ
)
を引き出して、我腕を縛りて、しかと其端を取り、さて俯してあまたゝび我に接吻し、かはゆき子なり、そちも聖母に願へ
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
父は先生の所から帰つて、
火箸
(
ひばし
)
で
打擲
(
ちやうちやく
)
せられて残念だと申したさうでございます。あくる朝父は弟の
謹之助
(
きんのすけ
)
を連れて、
天満宮
(
てんまんぐう
)
へ参ると云つて出ましたが、それ
切
(
きり
)
どちらへ参つたか、帰りません。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
私は誰か来て
庇
(
かば
)
つて呉れるか、伯父がもつと優しい顔して居たかすると、どんなに大声に泣き叫んだかも知れなかつた。けれども、泣けば尚酷く
打擲
(
ちやうちやく
)
されるだらうことを知つて居たので、堪へ忍んだ。
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
哀
(
かな
)
しければ君をこよなく
打擲
(
ちやうちやく
)
すあまりにダリヤ
紅
(
あか
)
く恨めし
桐の花
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
後藤は
止
(
とゞ
)
め
否々
(
いや/\
)
打擲
(
ちやうちやく
)
なして
若
(
もし
)
打處が惡く殺しもなさば死人に口無却つて
面倒
(
めんだう
)
なり先々拙者の連こそ幸ひ某しに
任
(
まか
)
すべし面白き計らひあり命を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ジョン・リードの罵倒には、
慣
(
な
)
れつこになつてゐたので、私は、返答なぞしようとは思はなかつた。私の心配なのは、
辱
(
はづかし
)
められた後に、きつとやつて來る
打擲
(
ちやうちやく
)
に、どうして耐へるかと云ふことだつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
言掛る
騙
(
かたり
)
なりとて一同立掛り
打擲
(
ちやうちやく
)
して表へ
突出
(
つきいだ
)
しければ大聲揚て
泣出
(
なきいだ
)
し如何にも皆々疑はるゝは是非なけれど私しは
搖
(
ゆす
)
り
騙
(
かた
)
りをする樣な者にては決して之なしと
種々
(
いろ/\
)
申し譯を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
打
常用漢字
小3
部首:⼿
5画
擲
漢検1級
部首:⼿
18画
“打”で始まる語句
打
打棄
打捨
打殺
打倒
打明
打付
打笑
打遣
打毀