“砂礫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
されき78.0%
すなつぶて7.3%
じゃり4.9%
こいし2.4%
されい2.4%
ざり2.4%
しゃれき2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
富士はもう森林や砂礫されきをかなぐり捨てて熔岩の滑らかな岩盤をむきだしにしている。どす黒い霧で、ゆく先も脚の下もよく解らない。
不尽の高根 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
何者とも知れずバラバラと京極方へ砂礫すなつぶてを飛ばす者があり、矢来をゆすって罵り返す宮津城下の町人の叫びも凄まじく雑音の中に響いた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一面のあら砂礫じゃりを敷きつめたその坂下御門前に行きついたのは、冬の陽の冷たい朝まだきの五ツ前である。
老中の眼鏡 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
偃松の上を滑り砂礫されいの上を包み、うね/\一列を作つて下から登つて來る道者の姿を、その中に隱見させて、絶頂目がけて攻上つて來る。
山岳美観:02 山岳美観 (旧字旧仮名) / 吉江喬松(著)
玉川砂礫ざりを敷きたるこみちありて、出外ではづるれば子爵家の構内かまへうちにて、三棟みむね並べる塗籠ぬりごめ背後うしろに、きりの木高く植列うゑつらねたる下道したみちの清く掃いたるを行窮ゆきつむれば、板塀繞いたべいめぐらせる下屋造げやつくりの煙突よりせはしげなるけふり立昇りて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
砂礫しゃれきのみが砂礫を知る。金のみが金を知る。これは悲しい事実だ。偽善者なる私の眼には、自ら教会の中の偽善の分子が見え透いてしまった。こんな事を書き進むのは、ほとんど私のえ得ないところだ。
惜みなく愛は奪う (新字新仮名) / 有島武郎(著)