吉江喬松
1880.09.05 〜 1940.03.26
“吉江喬松”に特徴的な語句
爬
著者としての作品一覧
伊良湖の旅(新字旧仮名)
読書目安時間:約27分
北から吹く風が冷たく湖上を亙つて来た。浜名湖の波は白く一様に頭を上げて海の方へ逆押しに押し寄せる。 四月の上旬で、空の雲はちぎれ/\に風に吹かれて四方の山へひらみ附いてゐる。明るい …
読書目安時間:約27分
北から吹く風が冷たく湖上を亙つて来た。浜名湖の波は白く一様に頭を上げて海の方へ逆押しに押し寄せる。 四月の上旬で、空の雲はちぎれ/\に風に吹かれて四方の山へひらみ附いてゐる。明るい …
海潮の響(新字旧仮名)
読書目安時間:約8分
毎朝二階の窓から東南の空を見ると、白く光る雲が遠い杉木立の上にもや/\湧き出てゐるのであつた。日の光はその雲の頂を照らして、いかにも輝かしいが、雲の下層は一様に平かに途切れて、下か …
読書目安時間:約8分
毎朝二階の窓から東南の空を見ると、白く光る雲が遠い杉木立の上にもや/\湧き出てゐるのであつた。日の光はその雲の頂を照らして、いかにも輝かしいが、雲の下層は一様に平かに途切れて、下か …
木曽御嶽の両面(新字新仮名)
読書目安時間:約32分
八月の初旬、信濃の高原は雲の変幻の最も烈しい時である。桔梗が原を囲む山々の影も時あって暗く、時あって明るく、その緑の色も次第に黒みを帯びて来た。入日の雲が真紅に紫にあるいは黄色に燃 …
読書目安時間:約32分
八月の初旬、信濃の高原は雲の変幻の最も烈しい時である。桔梗が原を囲む山々の影も時あって暗く、時あって明るく、その緑の色も次第に黒みを帯びて来た。入日の雲が真紅に紫にあるいは黄色に燃 …
霧の旅(旧字旧仮名)
読書目安時間:約18分
北國街道の上には夏草がのびてゐた。 柏原から野尻湖まで一里ばかりの間、朝霧が深くかゝつてゐて、路上の草には露が重かつた。汽車をおりて初めて大地を踏んで行く草鞋の心持、久振で旅を味ふ …
読書目安時間:約18分
北國街道の上には夏草がのびてゐた。 柏原から野尻湖まで一里ばかりの間、朝霧が深くかゝつてゐて、路上の草には露が重かつた。汽車をおりて初めて大地を踏んで行く草鞋の心持、久振で旅を味ふ …
五月雨(新字旧仮名)
読書目安時間:約4分
五月雨が音を立てゝ降りそゝいでゐた。 屋根から伝つて雨樋に落ち、雨樋から庭へ下る流れの喧しい音、庭の花壇も水に浸つてしまひ、門の下から牀下まで一つらに流れとなつて、地皮を洗つて何処 …
読書目安時間:約4分
五月雨が音を立てゝ降りそゝいでゐた。 屋根から伝つて雨樋に落ち、雨樋から庭へ下る流れの喧しい音、庭の花壇も水に浸つてしまひ、門の下から牀下まで一つらに流れとなつて、地皮を洗つて何処 …
山岳美観:02 山岳美観(旧字旧仮名)
読書目安時間:約1時間60分
岩膚 雷鳥 今度協和書院から吉江、武井兩氏の山岳美觀が出る事になつたと云ふ。吉江氏とはまだ不幸辱知の榮を得ないが武井眞澂畫伯は年來尊敬する高士であるから院主の需に應じて、潛越を顧み …
読書目安時間:約1時間60分
岩膚 雷鳥 今度協和書院から吉江、武井兩氏の山岳美觀が出る事になつたと云ふ。吉江氏とはまだ不幸辱知の榮を得ないが武井眞澂畫伯は年來尊敬する高士であるから院主の需に應じて、潛越を顧み …
氷島の漁夫:02 「氷島の漁夫」について(旧字旧仮名)
読書目安時間:約6分
Pierre Loti の本名は、Louis Marie Julien Viaud といつて、生れたのは、佛蘭西の西南サントンヂュ地方の有名な海港、ロシュフォールであつた。 彼には …
読書目安時間:約6分
Pierre Loti の本名は、Louis Marie Julien Viaud といつて、生れたのは、佛蘭西の西南サントンヂュ地方の有名な海港、ロシュフォールであつた。 彼には …
夢(旧字旧仮名)
読書目安時間:約3分
不圖昔の夢が胸に浮んで來た。 私は或る山へ登らうとしてゐた。禿山で、頂には樹木も無い。草花が所々懸崕の端に咲いてゐる。私の傍には二人の小兒が居た。一人は男の兒で六歳ばかり、一人は女 …
読書目安時間:約3分
不圖昔の夢が胸に浮んで來た。 私は或る山へ登らうとしてゐた。禿山で、頂には樹木も無い。草花が所々懸崕の端に咲いてゐる。私の傍には二人の小兒が居た。一人は男の兒で六歳ばかり、一人は女 …
翻訳者としての作品一覧
氷島の漁夫:01 氷島の漁夫(旧字旧仮名)
読書目安時間:約4時間53分
恐ろしく肩幅の廣い五人の男が、鹹氣と海との臭ひのする或る薄暗い家のやうななかで、肱を突いて酒を飮んでゐた。彼等の身長にはひくすぎるその棲家は、一方の端へ末細りして、丁度大きな海鴎の …
読書目安時間:約4時間53分
恐ろしく肩幅の廣い五人の男が、鹹氣と海との臭ひのする或る薄暗い家のやうななかで、肱を突いて酒を飮んでゐた。彼等の身長にはひくすぎるその棲家は、一方の端へ末細りして、丁度大きな海鴎の …
“吉江喬松”について
吉江 喬松(よしえ たかまつ、1880年9月5日 - 1940年3月26日)は、フランス文学者、詩人、作家、評論家。早稲田大学教授を歴任。
号は孤雁。
ジャン・ラシーヌなど古典悲劇を専門とした。農民文芸運動の提唱者のひとり。
(出典:Wikipedia)
号は孤雁。
ジャン・ラシーヌなど古典悲劇を専門とした。農民文芸運動の提唱者のひとり。
(出典:Wikipedia)
“吉江喬松”と年代が近い著者
今月で没後X十年
今年で生誕X百年
今年で没後X百年
ジェーン・テーラー(没後200年)
山村暮鳥(没後100年)
黒田清輝(没後100年)
アナトール・フランス(没後100年)
原勝郎(没後100年)
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット(没後100年)
郡虎彦(没後100年)
フランツ・カフカ(没後100年)